読書のはじまりは「赤毛のアン」だった。

今日は読書のはじまりのお話です。

 

読書のはじまり

今でこそ「趣味は読書です」と言うようになりましたが、実は小さい頃は本の虫ではなかったのです。

 

というか、本はほとんど読まない子どもだった。漫画のほうが好きだった。

たぶんいまもその傾向は残っていて、本を読むよりも漫画を読むほうが手っ取り早いです。

いまでも漫画は、それなりに読んでいます。

 

では、いつから読書をするようになったか?

そのタイミングは、はっきりと自覚しています。

少6の頃に読んだ、「赤毛のアン」です。

 


赤毛のアン モンゴメリ 村岡花子訳

 

わたしの読書は、「赤毛のアン」とともにはじまりました。

 

中学〜高校まで、新潮文庫のモンゴメリにどっぷり浸かった。

我が家はあまり本に恵まれた環境ではなかったんだけど、

なぜか新潮文庫の「赤毛のアン」セットが家にありました。

 


赤毛のアン(全11巻〔冊数12〕セット) (新潮文庫)

 

おそらく当時映画化された記念かなにかで、 新潮社がセットを売っていたような……(わたしが買ったわけじゃないので覚えてない)

 

で、これを読み始めて、とりあえず中学生の頃はそれを読破しました。

わたしは一旦はまるとそこにとことん付き合うので(あ、この傾向昔からだなあ)

赤毛のアンシリーズが終わると、次は「エミリーシリーズ」に移りました。

 


可愛いエミリー

エミリーシリーズは3部作です。

 

で、「丘の家のジェーン」「パットお嬢さん」「果樹園のセレナーデ」と

とりあえず新潮文庫から出ている村岡花子さん訳のモンゴメリの作品はコンプリートしたのです。

 

そして、中学〜高校で、これを何度も何度も繰り返し読みました。

 

いまはもう少し読書の幅が広がったのだけれど、一人の作家の作品にどっぷりと浸かり続ける体験は、このときが最も濃密だった。

わたしの読書の基礎は、モンゴメリ(と、訳者の村岡花子さん)によって作られたのだと思います。

 

モンゴメリからハリポタ、村上春樹へ

その後、友人からの勧めで村上春樹さんを知ったり、ハリーポッターを知ってなんて面白い小説なんだろうとのめり込んだりして、高校卒業後は、全然モンゴメリの作品を読まなくなった。


世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 全2巻 完結セット (新潮文庫)

初めて読んだ村上春樹作品は、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」でした。


ハリー・ポッターと賢者の石

ハリポタは一時期原書を読むほどハマりました。

 

中学〜高校はほぼモンゴメリの作品ばかりを繰り返し繰り返し読んでいて、もっと色々読めばよかったじゃんとも言えるのですが

一方で、あの時間はなんて濃密で豊かだったのだろうと思うのです。

深く深く、なにかにどっぷりと浸かる体験ってそうそうにない。

 

そして、わたしはそこで、読書や生きることの基礎を育んだのだと思う。

 

ついでに、ブログでこうやって書くことで気づいたのだけれど、わたしにもそういう「なにかにどっぷりと浸かる体験」があったんだなあと発見しました。

 

「赤毛のアン」シリーズでオススメの作品「隔離された家」

モンゴメリの作品で、わたしのなかで真骨頂だと思うのは、実は「赤毛のアン」ではないのです。

赤毛のアンシリーズには、番外編としてアヴォンリーの人々の生活を描いたサイドストーリーがあるのですが、この一見するとスポットライトの当たらない人々を描いた短い小話が、ものすごく面白い。

 

赤毛のアンシリーズでは、「アンの友達」と「アンをめぐる人々」がサイドストーリーになります。

題名に反して、アンとは全然関係のない人ばかりです。


アンの友達 赤毛のアン・シリーズ 4 (新潮文庫)

 

というわけで、今回紹介するのは、「アンの友達」に収録されている「隔離された家」というお話です。

 

全然ウマの合わない中年の男女二人が、天然痘の疑いで隔離された家でいきなり共同生活を送る羽目になるストーリーです。

コミカルであり、ユーモアあり、それでいてロマンスありの短編です。

時代や文化の違いはあるけれど、人が人を理解することはそんなに変わっていない。色褪せないものが、そこにはあります。

 

結び

最近は読書といっても、メインは仕事関連の本を読むこと

時々、仕事以外の本を趣味的に読むこと

 

でも、思ったよりも読書に時間をかけられていないなと。

スマホを触る時間を減らして、もっと読書に当てられたらいいなあ。

 

また赤毛のアンシリーズも、いつかじっくりと読み返してみたいと思います。

 

関連情報

▽今回紹介した本

▽赤毛のアンや訳者の村岡花子さんに関連した記事

翻訳に関連して村岡花子さんの本について取り上げています。

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