無為の知「<レンタルなんもしない人>というサービスをはじめます。」

 

テレビを見たわけではなく、Twitterで間接的に存在を知り、全然別のところでレンタルなんもしない人さん(以下長いのでレンタルさんと呼びます)の話題が出て、「ちょっともう少し調べてみよう」と本を読みました。

はじめてレンタルさんのお話を聞いたときは、ずいぶんと不思議な人がいるもんだと思ったものです。

いまでは、レンタルさんのツイートをフォローするようになりました。

たぶん、隠れレンタルさんのファンです。(ここに書く時点で隠れではないかもしれないけれど、そんなに積極的に応援するわけでもなく、レンタルを利用しようとも思わないし、でもひっそりと陰ながらという意味では消極的なファンです)

 

無為をするってある意味すごいこと

レンタルなんもしない人さんの発想ってすごい。

 

正直「よくそんなこと思いついたなあ」と思うのと

それを実行に移しちゃった行動力と

でも、それが「できた」レンタルさんってやっぱりすごいよね。

 

レンタルさんが本書でも述べられているように、別にレンタルさんの完全オリジナリティってわけではなく、「プロ奢ラレヤー」という方が参考になったそうなのですが(世の中にはそういう人もいるんですね)

 

でも「なんもしない」を差し出すって、無為でありながらめっちゃやってますやんと矛盾というかパラドックスが生まれていて、不思議です。

 

それって誰でもできることではなく、これまでの生き方とか、もともとの性格とか、外見的な要素とか、全部ひっくるめてレンタルさんだから成立したんだなあというのが、ひとつの事象としてとっても不思議。

しかも、よくわかんないけどそれに共感する人もいっぱいいて、それもすごく不思議。(わたしもそのひとりかもしれない)

 

なんもしない」って、簡単なようでとってもむずかしいのです。

 

しかし、無為から生まれてくるものって確かにあるわけで(確か老子がそういうことを言っていた気がする)

それをなんか実践しているレンタルさんめっちゃすげーなあと思いました。

 

基本的になんもしないけど、なんもないわけではない。

あ、あと。

これは本を読んでみて実感レベルで伝わってきて良かったなあと思った点です。

 

レンタルさんが、実際のレンタル事例(?というのも変だけど)を通しながら「レンタルなんもしない人」サービスについていろいろ語ってくれているんですよね。

 

そうすると、ネットのかいつまんだ情報ではわからなかったレンタルさんの個性がじわじわと見えてくるのです。

 

それで、レンタルさんは基本的には「なんもしない」んだけど、話を聞いているときにほんとうになんも言わないわけでもないし、そのときどきで、それなりに反応もされている。

 

もちろんアドバイス的なことは「しない」し、踏み込まない距離感はある。

 

でも、一見フラットなように見えて隙間から垣間見えてくる「レンタルさんらしさ」が、きっと人気の秘密なんだろうなあと思いました。

 

レンタルさんを通して、人との繋がりを再発見する

レンタルさんは、一期一会というほどもないものを提供しておられます。

 

例えば、「朝この時間にモーニングコールをしてほしい」とか、別にレンタルさんに頼まなくても、スマホのアラーム機能を使えばいいじゃないかみたいな依頼もあるんですよね。

 

人同士の関係性が、ネットとかいろいろな時代の変遷で希薄になってきていると言われているこの現代で、でもやっぱり人はなにか人たらしめるものがあるから人なんだなあと、ちょっと言っている意味がわからないですが、そんなことを思いました。

 

逆説的な発見が、いっぱいあった。

 

でも、それは普遍的なことではなくて、流動的なものなんだ。

2019年12月現在、レンタルなんもしない人さんのサービスは、1回1万円と有料になりました。

 

これには賛否両論あると思いますが、依頼だってそのときどきで受けるかどうかはレンタルさんのバイアスがあったし、これだけ知名度が上がってしまったら仕方ないんじゃないかなあと思います。

 

そもそもこの「レンタルなんもしない」サービス自体、いつまで続くかわかりません。

そして「よし、じゃあ自分も1回1万円でこういうことをやろう」と思ってもきっとうまくいかないだろうなあと思います。(これは、無料のときからあったらしいです)

 

わたしは割と頭が固くてなかなか新しいことを受け容れるのがむずかしいんだけれど、なんだかこころが柔らかく解れるような体験でした。

レンタルさんのもう1冊の本も、また読んでみたいと思います。

 

結び

全体的には好意的に書いていますが、わたし自身は有料だろうと無料だろうと、レンタルさんのような人と出会うことはないだろうと思います。(そもそも人見知りで、知らない人とその場限りの出会いでも緊張するタイプなのです)

でも、「ああ、なんかそういうのもアリだよね」と思えたのは、自分のなかでは大きな収穫です。

 

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おまけ Twitterについて

このブログのTweet垢をつくろうかとか考えることもあるのですが、面倒くさがりなので続かないなあというのが。

レンタルさんをフォローしているのはリアルに近いアカウントだけど、基本的に閲覧用。

何回か、数えられるほどツイートしたことありますが、文章考えるだけで煮詰まってしまう。

ツイートするって、わたしにとってはけっこうエネルギーがいることなので、それだったらブログの記事に文章を書いているほうが建設的だなあと考えちゃうのです。

ツイートの短い文章より、ブログの長い文章を書くほうがスラスラと出てくるから不思議。

 

 

わたしにしては、Twitterをはじめただけでも画期的なことなのです。(昨年から、はじめました)

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