人間関係に悩む人へひとつの提案 - -友だち幻想 人と人との<つながり>を考える

昨日は台風がものすごかったですね。

わたしは昨日は1日家にいましたが、風もこれまでにないほど強くて強くて、家も揺れてとても怖かったです。

台風で被害に遭われた地域の皆さまにおかれましては、心よりお見舞い申し上げます。

うちも、家の一部が破損しました。地震に引き続き……

 

こんな時ですが、ブログはがんばって更新します。

 

 

 

 

以前テレビで紹介されていたのを見て、読んでみることにしました。

娘さんをきっかけに書かれた本書は、若い読者さんに読みやすいわかりやすい文章で書かれています。それでいて、大人が読んでも奥深い。

中高生の教科書に採用してもいいんじゃないかというくらい、これはぜひ多くの若者に(もちろん大人も)読んでほしいと思える内容でした。

なぜなら中高生ほど、狭い世界で友だち関係が生死を分けるほどに重要である時期はないからです。

友だち関係がある程度うまくいっていたらそれなりに学校は楽しいし、逆なら然り。友だち関係って場合によっては勉強より大事です。

中学くらいになると、特に女子は「グループ」なるものができます。

最近はスクールカーストとも言われるんですよね。誰がそんな変な言葉を思いついたのだろう。

まずどこかのグループにいること、そして所属するグループも階級があったりする。

 

 

わたしの話。

わたしはこれがとても嫌いでした。

でもそういうもんなのかな? と思っていたので、誰か一緒にいてくれる人を必死に探していました。狭い世界に住んでいると、そういうことの是非もわからないのです。

大学生になったとき、ひとりでごはん食べてもいいんだ、ひとりで図書館で時間を過ごしてもいいんだ、カリキュラムもひとりで組んでいいんだ、ああひとりってなんて楽なんだろうと初めてひとりの心地よさを知りました。

それまでは、ひとりでいることは、今風で言うところの「ぼっち」で、不安で仕方がなかったのです。

共同性から並存性へ

 

菅野先生によると、これは「共同性の幻想」。昔のムラ社会の同質性の関係性が引きずられているのだそうです。

昔は、ムラやイエは共同体で生活するので、その共同体でみんなでやっていけなかったら、それこそ生活できなくなる―ごはんが食べられなくなる次元で、どうしても不可欠だった。日々の生活をみんなで支え合って生きていくためには、共同性は必然だったのですね。ほんとうに生きていくためのシステムだったのです。

しかし現代は急速に変化しています。個別性と多様性が認められつつあります。

 

テクノロジーの進歩は急速でも、人のこころの変化は緩やか。そんなものなんだろうな。大人も子どもも、やっぱりムラ社会的共同性に縛られている人はいまでもたくさんいる。

 

現代は並存性こそ重視される時代なのだそうです。

並存性は「気の合わない人とも一緒にいる作法を身につける」ことです。

 

つまり、無理してみんな仲良くしなくても良いのです。合わない人もいていい。

その代わり、合わないからといって排除しようとしたり(ムラ八分にしたり)しないで、ほどほどの距離感(例えば、朝会ったら「おはよう」と言う)を持って過ごす。

 

これは社会に出たら当たり前の話なんですが、もう学生のころから始まっているんですね。

 

「友だち幻想」とは。

 

そして、「友だちだから100%分かり合える」これこそ幻想なんだと。

わたし達はみんな違うから、自分のことを100%わかってもらうなんて無理だ。この前提をちゃんと知っておくこと。

 

でも、それでも人間は関係性を求めていく生き物だから、分かり合えないところ込みで付き合っていこうと。

 

そしてそして、これって友だち関係だけでなく、恋人や家族などあらゆる関係性において言えることです。

 

自立したひとりの人間として接すること。

相手を尊重すること。

ゆえに自分も尊重されること。

 

もうひとりでいい、じゃなくて、あえてその前提を認めた上で人との関係性を築いていく。

その上で必要になってくるのは「対話力」。

 

ひとりもいい。

誰かといるのもいい。

ひとりでいるときも、誰かと一緒にいるときも、独立したひとりの人である。

 

 

対話力とは、言葉を磨いていくこと、自分を磨いていくこと

 

本書の結びとして、第8章は「言葉によって自分を作り変える」という題になっています。

 

対話力を鍛えるためには、言葉をちゃんと使えること。

まず本を読んでみよう。

本を読むと、著者を通して対話をすることができる。

対話は一回きりではなく、何度も回数を重ねることで深まっていく。

 

 

言葉の重みについても、最近自分でも感じていたことが書かれていて、「うんうん、そうそう」と何度も頷いてしまいました。

時代がものすごく早く動いて、めまぐるしく感じることもあるし、人と人との関係性やいろんな物事が早く結論づけられてしまうように昨今感じていました。

でも、大事なことはやっぱりゆっくり育くむんだなあ。

そして、言葉の持つ力をもっと信じてみようと思いました。

 

 

結び

 

わたしがブログを続けたいと思う理由のひとつは、言葉の持つ力です。

例えばInstagramはとっても便利だしすぐにいろんなものが目に入っていくけれど、消費されるのもまた早い。良いところもあるけれど、これで全ては補えない。

わたしは、時間がかかるけれども、手応えのあるものを残していきたい。ちゃんと自分の言葉を使って伝えていきたい。

ブログで記事を書くと、自分の考えをいったん文字に起こすことになります。そうすると、頭のなかでふわふわしていたものが、いかに形にするのが大変かがわかります。でも、その作業を繰り返すことで、言葉はもっと洗練されていきます。

人との関係性も、そんな風に、大切に紡いでいきたいです。

 

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