もしも利休があなたを招いたら 茶の湯に学ぶ”逆説”のもてなし (角川oneテーマ21)
”お茶”、”茶道”というと、「どこか堅苦しいな」とか、「お金や生活に余裕のある人のするもの」といった身構えるイメージがあります。
個人的に興味を持ったことはあるけれど、お茶を習いに行くとなると、敷居が高くなります。
本書は、そんなお茶のイメージの敷居を、ちょっと下げてくれました。
とてもわかりやすい親切な文章で、お茶の世界への入り口を開いてくれる本です。
わたしのお茶体験
一度だけ、本格的な茶室に招いていただいたことがあります。
なんと就活で。
そこにたまたまお茶室があって、面接に来た学生にお茶をふるまってくれたのです。
初めてのお茶にとっても緊張したのですが、その緊張を持ってしてもあまり余るほどいまでも印象に残っているのは、お茶をたてる所作の”美しさ”でした。
無駄のない、美しい所作。これはテレビで見るだけでは伝わってきません。
その場で体験して、はじめて”美しい所作”というものに感動しました。
(ちなみにそちらは落ちました)
美しい所作に通じること
たぶん、この体験は自分にとって強く残って影響を与えていたんだろうなと、これを書いていて改めて思います。
その後も、禅に少しずつ興味を持つようになってきたのですが、惹かれたのは、例えば禅のお坊さんの凜としたたたずまいや、日常の掃除などもすべて修行である、という姿勢です。
枡野俊明先生のこんな本を読みました。
禅が教えてくれる美しい人をつくる「所作」の基本 (幻冬舎文庫)
わたしにとって、美しい所作、指先まで込められた動きは、ほんとうに憧れです。
茶道を習ったら、あの美しさを身につけることができるのかしらと何度か考えたことがあります。
現実は……なかなか厳しいですが。
(日常にいっぱいいっぱいになるとすぐ忘れちゃう)
改めて本書を読んで、わたしの希求していた方向性はあながち間違っていなかったんだなとわかりました。
無知でお恥ずかしいのですが、茶道は禅とも所縁が深いのですね。
禅やお茶の考え方というか、姿勢というか、そういうものを日常のなかにいかに取り入れて、日々を生きるときの軸にするか。
それが自分にとってテーマなのかなと思いました。繋がっているんだなあ。
結び
「お茶ってなんだか敷居が高いなあ」というのを低くしてくれた。
じゃあさっそく日常にお茶を取り入れてとか、お茶を習いにいこうとは、すぐにならないのですが、もう少し日常に取り入れてみたいなと前向きに思うようになりました。
あと、お茶を通したエッセンスをもっと突き詰めて考えていきたいな。