【HSCの本】「教えて、明橋先生! 何か他の子と違う? HSCの育て方Q&A」明橋大二

「HSC 子育てハッピーアドバイス」でお馴染みの明橋先生の本です。

 

本書は、明橋先生が主に講演などで出てきた疑問に答える形式になっています。

「HSC 子育てハッピーアドバイス」がHSC入門編だとすると、本書は「もうちょっと詳しく知りたいな」と思う人に向けたものです。

 

本書の構成

本書は大きく分けて3つに分かれています。

  1. HSCについての基本的なおはなし
  2. Q&A (全部で26)
  3. 付録:「子育てハッピーアドバイス」から、教育関係者へのページの引用

 

巻末には、「ニューロダイバーシティ(神経多様性)の考え方」と題して明橋先生の考えが書かれています。

わたしは、あいにく子育て中のママさんではないので、HSCの子育てあるあるは取り上げることができないのですが、個人的に気になったところを3つピックアップしてみたいと思います。

  • 発達障がいとの関連
  • 不登校への考え方
  • HSC(HSP)の大切な勘どころ

 

発達障がい

Q17で、発達障がいについての質問が出ていて、明橋先生の考えが述べられています。

これまで本ブログでも何回か取り上げてきました。

 

「私は基本的に、発達障がいとHSCは違うものだと思っています。ただ、合併ということはありうると思います。特にADHD とHSCの合併ということは、ありうると思っています。」

P131より引用

 

このあとに、アスペルガーとHSCの合併はまれではないかと続きます。

 

HSCの共感性の高さと、ASD(自閉スペクトラム症)の3つ組(社会性、コミュニケーション、想像力)の障害は基本的には違うものではないか、ということでしょうか。

これには、脳のミラーニューロンの反応の点でも異なるということも、最近の研究では言われています。

 

ただ、明橋先生も「まだ研究が始まったばかり」と言われています。

 

個人的な体感として、いかにも”HSCという感じの子”と、いかにも”ASDという感じの子”っています。

それは明らかに違うなと思います。(わたしはどっちもそれぞれに良いなあと思います)

 

ただ、HSCは定義に曖昧さが含まれるのと、ASDもスペクトラムと言われるだけあって非常に幅が広い。

きれいにすっぱり分かれるほど、世の中は単純ではない。

 

こう言っては元も子もないかもしれませんが

HSCなのか」「発達障がいなのか」ということが大事なのではなくて

この子の特性をどう理解していくのか

この子が自分らしくいきいきと生きていくのにはどうしていったらいいか

が大事なんだろうなあと思います。

(もちろん、これはHSPについてもそのまま当てはまります)

 

不登校

不登校についても、いろいろと有益なアドバイスが書かれています。

とても感動したので、ついでに取り上げておきます。

 

「私はいろんな不登校の子を見ていますが、結論からいうと、不登校はね、本当にね、心配ありません。」

(P106から引用)

 

不登校って、子どもにとっても保護者にとっても、とてもこころを揺さぶられる体験です。

特に保護者は「このまま学校に戻れなかったらどうしよう」ととても不安になることが多いです。

 

なんかここまですっぱり言われると、潔いというか、すごく勇気づけられるメッセージだなあと思いました。

単純に放っておいて解決するというわけではないし、長期戦になることもあります。気持ちがくじけそうになることだってあります。でも、なんというか、励まされるというか、力強くエールをもらえる感じがします。(あ、わたし自身はいま現在不登校というわけではないんですが)

他にも、「昼夜逆転は心配ない」と仰っています。これも、すごく心配することだと思うのですが、「おお、なるほど」と思いました。

さらに詳しい内容は、ぜひ本書の続きを読んでください。

 

HSCについての勘どころ

『このような敏感な子に必要なことは、端的にいうと、2つのことです。

 それは、「境界線を引くこと」(バウンダリー)と、「休憩」(ダウンタイム)です。』

(P168より引用)

熱を出しやすいHSCさんについての質問への回答です。

 

具体的なことは、本書を読んでいただきたいのですが、

これは「熱を出しやすい子」だけでなく、そのままHSC(HSP)にも当てはまるのではないかなと思いました。

 

バウンダリーは、特にHSC(HSP)さんにとっていろんな意味で大切なことです。

共感性の高さゆえ、周囲の人の気持ちまで拾いやすい。

また、自分と他人との境界が薄く、「自分は自分、他人は他人」と割り切ることが難しい。

自分を守るため(自分を大切にするため)にも、境界線を引くという考え方はとても大事。

 

また、ひといちばいたくさんの刺激を拾いやすいHSC(HSP)さんは、それだけひといちばい疲れやすくもあります。

「ダウンタイム」休憩をしっかり取ることは、非HSCさんよりも、さらに大事になってきます。

 

個人的な問題もあるのですが、バウンダリーとダウンタイムは、HSCのうちから意識しておきたいポイントだと思いました。

 

結び

明橋先生の優しい視点が、本全体に感じられました。

長沼先生の視点も好きなのですが、明橋先生も温かく優しい視点で見守ってくださっていて、個人的に明橋先生の考え方も好きだなあと思いました。

 

ちょっと最近HSPについて、いろいろと考えるところがあったんですが、勇気づけられました。

もう少ししたら、自分なりの現在の考え方をまとめてみたいと思います。

 

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