【HSPの本】「敏感すぎるあなたがうまく話せる本」長沼睦雄


敏感すぎるあなたがうまく話せる本 今日からスーッとラクになる

 

久しぶりに長沼先生の本です。

ちょっとぼんやりとしているあいだに、長沼先生のHSP関連の本がいろいろ出版されていて、ちょっと出しすぎじゃないかと思うのですが。

まあ、長沼先生だけじゃなくてHSP関連本増えましたよね。前回紹介した岡田先生の本も然り(岡田先生の本は2017年出版です)。

岡田先生は割と硬めの本ですが、全然違うベクトルの本も乱立していて、本屋さんで途方にくれる人もいるかもしれません。

可能な範囲で、わたしなりに振り分けと紹介ができると良いかなと思います。というわけで可能な範囲で(2回目)、ちょこちょこと読んでいきます。

 

本書の構成

序章 敏感すぎる人も、ラクに話せるようになります
1章 誰かと話す前から、すでに疲れていませんか?
2章 自分の話している内容が、「間違っているのでは」と気になる人へ
3章 「頑張っても話せない」自分が嫌になってしまったら
4章 ここぞ!という時に、自信をもつための秘訣
5章 すべてがうまくいく口グセと、自分との会話習慣

 

タイトルにもあるように、本書はHSPさん向けのコミュニケーションについて特化しています。

「コミュ障」という言葉にもあるように(わたしはこの言葉は嫌いなんですが)、コミュニケーションってむずかしいです。

でも、コミュニケーションのむずかしさも、背景にはいろんな要素があります。

この本は、HSPさんの敏感すぎる気質から起こりやすい「ならでは」を、ピックアップしてくれています。

 

普段臨床の場でいろんなHSPさんと出会われるだろう長沼先生ならではの、痒いところにも手が届くように、かつHSPさんへの温かい視点で書かれています。

なんというか、長沼先生のこの温かい文章が、個人的には読むだけで癒しになります。

わたしも読みながら「うんうん」と頷いてしまいました。

 

個人的体験に置き換えてみる

わたし個人は、現在は、昔よりはコミュニケーションに困らなくなりました。

でも、昔はコミュニケーション、人と話をする、もっと言うと初対面の人や関係性のできていない人と話をするのが恐ろしく苦手でした。

10代の頃は、人前で「話す」ということがそもそもできなかった。仲が良くなるとすごーく話すんだけど、そうでないと何にも話せないのです。家では普通に話せるのに、外に行くとほんとうになにも話せなくなるのです。(選択性緘黙と、呼ばれたりします)

 

いまは割と普通に話せるようになったんだけど、初対面はやっぱり緊張するし、場と相手に馴染むまで時間がかかります。相手とどこまでコミュニケーションを図っていいかは、意識していないけどすごく考えます。

仲が良くなると深い話をできるようになるし、そうなると相手にとっては心地よく感じてくれる人もいて、グループよりは1体1でじっくりと話をするのが向きます。

でも、仲が良い人とじっくり深ーく話をするのは、それはそれでとっても楽しくて自分には合っているんだけど、後からすごくすごく疲れます。仲が良い人でもです。

こ(今日も、連休に2日連続で友人と会う約束をしていて、その疲れが連休の最終日にどどどどっと来ました。1日何にもできないくらい疲れてしまった。そういうとき、自分の気質が哀しくなります)

 

だから個人的には、いまはそんなにいうほど困っていないんだけれど、でも書いていることはなるほどと思うことはたくさんありました。

セルフケアとして使うには役に立つと思います。

 

印象に残ったところをピックアップ

というわけで、個人的に印象に残ったところは、コミュニケーションとはちょっとずれるかもしれません。ちょっとだけ付箋を貼ったところをピックアップします。

1章 15 落ち着いて人と向き合うために。体調を整える

これは、コミュニケーション以前の話として、HSPの気質から疲れやすくなりますよという話。

敏感すぎる気質のHSPさんは、人と話しても疲れるし、話さなくても気力や体力を消耗しているものです。そして、疲れるとますます身体に力が入って、疲れが取れにくくなります。

 

HSPは日常生活を送るだけでも相当無理をしている状態のため、いつも疲れた状態が続いています。(中略)一日の終わりにはこわばった全身をほぐすような、自分だけのリラックスタイムをとりましょう。(中略)自分軸を立てて自分を優先させるくらいの気持ちで常に体調を整えて、自分を守る意識が必要です。

(敏感すぎるあなたがうまく話せる本 P66~67 太字は本文そのまま)

 

いま現在、自分にとっていかに心と身体を休ませるかがテーマなので、響きました。

そうそう、一日の終わりにはグターッとしているんだ。

でも、思っている以上にリラックスタイムが過ごせていないんだ。

 

アーロン博士も、ダウンタイムが大事だと著書で述べていました。

人と接する前に、まず自分のメンテナンス。改めて大事だなあと思いました。

 

2章 11 自分の心に問いかける

自分自身の心に「これはどう思う?」と問いかけて反応を感じてみましょう。(中略)心の声が聞こえてこない時には、毎日自分の身体に問いかける時間を持つことがオススメです。ひとり静かな場所で、今はどんな気持ちか、頭や胸や腹に両手を当てて聞いてみるのです。

(敏感すぎるあなたがうまく話せる本 P95)

 

これは人を優先させすぎるHSPさんに、”自分を優先させる”ことを勧めています。

さっきの項目とちょっと似ているんですが、リラックスタイムに、自分と対話できるとさらに良いなあと思いました。

 

2章 12 頑張りすぎないと決める

人のために頑張りすぎるHSPだからこそ、「のびのびする」ことが大切です。会社であれば「ここでやめても大丈夫、明日にしよう」など、きっぱりと切り上げること。人づきあいでも、いくら話が盛りあがっても決めた時間になったら帰ることです。そのような、相手よりも自分のことを優先させる自分軸を立てましょう。

(敏感すぎるあなたがうまく話せる本 P97)

 

生き方もそうだし、人づきあいでも、「うんうん、そうなんだ。そこがわたしの課題なんだ」と思った箇所です。

HSPだから陥りやすいと言われている「頑張りすぎるところ」「相手の期待に応えようとするところ」が、わたしも重なります。

でもそれじゃあどうも自分はしんどくなってしまう。これはいかんなあと気づきました。

 

気づいても一朝一夕で変えられないのが人のむずかしいところ。

 

休みの日も平日の疲れが抜けず、ベッドから起き上がれないまま眠り続けてしまうこともあります」(P97)とは、まさに今日のわたしではないですか!

 

HSPのことを知って、自分なりに色々対策を立てるようになってきても、まだ起こります。

でもやっぱりここは変えていきたいなあと思います。

 

結び

というわけで、いま現在のわたしはコミュニケーションそのものよりは、気を抜くのがうまくいっていなかったり、日々の疲れをコントロールしきれていないことのほうに焦点が当たっています。

これは、以前よりコミュニケーションを克服したのもあるし、自分が変わってきたのもあるし、(職場の)環境を変えたこともあります。

 

長年の癖って、変えるのに時間がかかります。

場合によっては、専門家の力を借りるのもひとつだと思う。

ちょっとでも、自分にとってラクな生き方を実践できると良いですね。

 

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