「敏感すぎる自分」を好きになれる本でお馴染みの、長沼睦雄先生のHSPについてのムック本です。
ムック本なので、HSPについて簡単に知りたいという方に、手に取りやすい本です。
本の構成
episode#01〜#03
Chapter1 もしかして、私はHSPかも?
Chapter2 敏感すぎる自分の心を強くするレッスン
Chapter3 敏感すぎる人が抱えやすい「困ったこと」への処方箋
HSPを知ってもっとラクに生きるためのQ&A
自分が”HSP”だと気がついて
episode#01〜#03
HSPの性質に絡めた3つのエピソードが漫画で掲載されています。
一見どこにでもありそうじゃん的エピソードですが、その背景にはHSP気質が実は関係しているのかもしれないという。
漫画の良いところは、わかりやすいところですよね。
HSP導入としてはとてもわかりやすいと思います。
誰にでも起こりそうなことだけれども、そこでのエネルギーの消耗とか、疲れ具合とかが、でも気を遣ってがんばっちゃうところが、非HSPの人と異なるところかと個人的には思っています。
Chapter1 もしかして、私はHSPかも?
HSPの概説が、アーロン博士のチェックリストと共に載っています。
カラーでイラストも多用されているので、視覚イメージで補いながらHSPって何だろう? を知ることができます。
AC(アダルトチルドレン)や神経発達症(発達障害)との絡みも少し触れられています。
Chapter2 敏感すぎる自分の心を強くするレッスン
HSP気質を持ちながら、生きやすくするためのメソッドが12のレッスンとして書かれています。
一つ一つは、HSPと関係なく大切なことなんだけれど、HSPで生きづらさを持っている人にはなおのこと大事にしてほしいことかと思います。
Chapter3 敏感すぎる人が抱えやすい「困ったこと」への処方箋
3章は2章よりも具体的に”こんなことで困ったときはどうすればいいのか”について、16の項目について書かれています。
2章が予防的な取り組みだとすると、3章は実際に困ったときのための処方箋ですね。
「ああ、そういうことあるなあ」というのがわたしもぽこぽこありました(笑)
これもHSPじゃなくても当てはまることもありますが、HSPだとより該当項目が増えるのかなあとも思いました。つまり、誰でも知っておいて損はないということです。
HSPを知ってもっとラクに生きるためのQ&A
これは、医師である長沼先生ならでは、医療に関連のある事柄が中心です。
医療にかかっても(精神科や神経科、心療内科を受診しても)、HSPであることは診断されないし、病気ではないから治療して治すものではないとはっきりと書かれています。
自分が”HSP”だと気がついて
冒頭の漫画の主人公たちを含めて、自分がHSPだと気づいた人たちの感想や体験談がざっと載っています。
本の締めくくりらしいです。
本の感想
ムック本ということで、本自体も薄く(全部で63ページ)、カラーとイラストが多用されていて、それでいて押さえるべきところはしっかりと押さえてあって、HSPについてのエッセンスがぎゅっと詰まった本でした。
HSPって何かな? と気になる人がはじめて手に取るのに、あるいは身近な人にHSPのことを知ってもらいたいときに、さっと取り出して説明できる導入の本として最適です。
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しかし、カラーとイラストを多用されているのはわたしには”視覚情報量が多くてかえってわかりづらい”(内容が全然入ってこない)ことがわかりました。
視覚優位(人は大抵、視覚か聴覚のどちらかが優位です)だからといって、視覚化されれば良いものではないのだと実感した。
つまり、わたしは「敏感すぎる自分」を好きになれる本の方がとてもわかりやすく、内容が入りやすかったです。
これは、普段どれくらいの本を読んでいるかにもよるかもしれません。
アーロン博士の本は、わたしには逆に言語情報量が多すぎて、内容は奥深いのだけれど、パンクしそうになるくらいお腹いっぱいになります。
HSP関連本も少しずつ増えています。
どれが良いかではなく、その人にとっての、”これ”という指標になる本が見つかると良いですね。
これは、まあHSPに限ったことではないのだけれども。