映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」感想

原作の漫画は読んだことがないのですが、ただただ岡田くんが出ているという理由だけで前作映画も観に行きました。

 

▽そのときの感想

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一時期は岡田くんが好きで、彼の出ている映画は片っ端から見ていたのです。

しかし、最近そこまで推しではなくなってきたのですが「前作も見たしまあ行くか」という軽い気持ちで観に行きました。

やばい、めちゃくちゃ面白かった!!

 

というわけで、もう一回観に行く勢いの感想です。

 

※この感想にはネタバレがあります。未視聴の方はご注意ください。

※原作の漫画は読んだことがありません。映画のみの感想です。

 

 

簡単なあらすじ

どんな相手でも6秒以内に仕留めるという伝説の殺し屋「ファブル」は、ひょんなことからボスから「一年間誰も殺すな。一般人として”普通”に生きろ」と休業命令を受けます。

「人を殺さずに普通の人間として暮らせ」と命令を受けて、相棒のヨウコさんと兄妹のフリをして身を隠します。

しかし、いろいろとトラブルに巻き込まれて、しかししかし、ボスの命令に忠実に人を殺さずにトラブルを解決していくお話です。

今作は前作のその後のお話で、休業前の任務(もちろん殺し屋業)で出会った女の子(ヒナコ)が登場します。

 

岡田くんのもう芸能人の域超えているんじゃないの的身体能力がふんだんに活かされつつ、これまでとちょっと一味違った三枚目的な要素(アキラさん本人はいたって真面目)もある素敵なお話です。

 

感想

まずですね、冒頭の暴走するカーアクションのシーン。

まさか日本でミッションインポッシブル並みのアクションシーンが見られるとは思わんかった。(思いついたのがミッションインポッシブルだったんです)

すごいすごいすごいすごいすごい! これを見るためだけに映画館に足を運んでも損がないくらいいきなり白熱!

前作の続編ということで、バイト先のデザイン会社のあのアットホームな雰囲気も継続。(佐藤くんは時給900円のバイトです)

 

全体的に、今回の作品は前作でできた下地に良い感じにストーリーが乗っかって、ホッとしたり笑えるシーンもありつつも、新しい登場人物にドキドキ白熱する感じでした。

続編って良し悪しがあるけど、これはとてもよくできている、前編ありきでOKの続編だった。逆に今作が初めてという人は、前作を見て流れをおさらいしてから観に行ったほうが絶対楽しめると思います!

 

平手さんヒナコもとても良かったです。

わたしは平手友梨奈さんをドラマで見るのは初めてだったのですが、普段滅多に笑わない人がたまに笑うとめちゃくちゃツボにはまることをなんか彼女を通して教えられた気がします。めちゃ可愛い!

 

あ、あと。これ終わってから気づいたんですが、岡田さんと筒井さんの組み合わせって「SP」の2人でした! いや、なんか良いですね。SPの頃は若くて初々しい感じが似合っていましたが、それと全然違う雰囲気ででもなんだか今のこれはこれで味があって良いなあと思いました。(語彙力が!)

筒井さんってあまり悪役のイメージがなかったんですが、今作はとてもハマり役でした。

同僚の鈴木さん(安藤政信さん)も裏社会の人なんだけど、良い立ち位置。

 

そしてそして、ヨウコさん(木村文乃さん)のアクションシーンも素晴らしかった。

岡田くんのアクションシーンがすごいのはもう言わずもがななんですが(しかも伝説の殺し屋設定だから安定感が抜群。こんなにヒヤヒヤしないで、でも白熱するアクションはめずらしい)、一見そんなに強そうに見えない人がめちゃくちゃ強い設定も萌えます。

そう、みのりさんは密かに(密かに?)アクション大好き人間なのです。(どうでもいい)

 

佐藤くんの画力が格段に向上していたのもびっくりです。

あのデザイン会社のやりとりは、「ファブル」の癒し系その1です。その2はジャッカル。

 

 

盗撮・盗聴について考察してみる。

本作では、よく盗聴や盗撮が使われていました。

物語に大きく関わるわけではないんだけど、いろいろな使われ方がしていて「そういえば多かったなあ」と思ったので、今回はこの作品における盗聴や盗撮の意味について考察してみたいと思います。

 

※あくまでフィクションのなかの考察としてお考えください。

ちなみに盗聴や盗撮そのものを直接罰する法律はないのだそうです。盗聴と盗撮は同じように見えて、問われる罰則は異なるらしい。法律ってむずかしい……

 

盗聴・盗撮

盗聴や盗撮って、「盗む」という文字が入っているように、相手に気づかれないようにこっそりするからこそ成り立つ行為です。

 

そこにはどんな心理が働くだろう?

 

まず、対象となる人が知らないことを知れる。

「本来誰にも見られたり聞かれたりしていない」空間をこっそり覗き見(聞き)するわけです。

そこには、対象への万能感や優位性が感じられます。

 

情報を得ることが目的となる場合もあれば、単に「自分は相手が知らないと思っていることを知っている」という優越感もあります。この複合パターンもありそうです。

 

今作では、主に4つの盗聴・盗撮が登場しました。

※超ネタバレです。気をつけてください。

  1. 貝沼くんの、ミサキさんの部屋の盗撮
  2. その盗撮を利用した宇津帆や井崎の盗撮
  3. ヒナコとアキラのやりとりを盗聴(宇津帆)
  4. ボス

順番に見ていきましょう。

 

貝沼くん

貝沼くんは、佐藤のバイト先であるデザイン会社に勤めるちょっと引っ込み思案な男性社員。

密かにミサキさんに恋心(下心?)を抱いているようですが、職場では奥手なので全然出せません。加えてみんな鈍いので全然気づきません。

ミサキさんの過去(グラビアアイドル)を知っている人で、正直淡い恋心というよりはちょっとこじらせた系の人です。まあ若いしね。キモいけど。

でもあの部屋は引くよね。ちょっと(かなり)やばい人です。この作品はやばい人がたくさん登場するので、それに比べるとかわいらしいレベルなんだけど、比較基準がよくわからなくなってきます。

 

そして、密かにミサキさんの部屋を盗撮しています。

 

この人の盗聴は、完全に優位性。現実世界で手に入らない人への欲求が、盗撮というかたちで達成されている。まあふつうにキモいです。ふつうに犯罪です。

そしてその行為は、別の犯罪行為をする人によって暴かれてしまって別の悲劇を生んでしまいますが(自業自得というのにはあまりにもむごすぎる)

 

もし、これが暴かれなかったらどうなっていたのかな。

 

これは個人的な推測だけど、この盗撮はどこにも向かわなかったんじゃないかな。

彼の世界だけで完結する盗撮で、たぶん現実にはミサキさんへ自分の思いを告げることも、この盗撮をもとに例えば脅して関係を強要することも、彼はできなかったんじゃないかなあと思います。そこまでの勇気がある人ではなかったように思う。

しばらくは続いたかもしれないけれど、結局はどこにも向かわないまま終わった可能性もあります。

その場合、その行為自体はどう頑張っても褒められたものではないけれど、誰も傷付かずに済んだという点ではある意味良かったのかもしれない。

 

少なくとも、逆恨み的にミサキさんへ包丁を向ける真似はしなかったでしょう。

どっちも犯罪ですが、やっていることの重みが全然違ってきます。

 

※これは、決して盗撮を是とするわけではありません。仮説と考察として。

 

宇津帆と井崎(盗撮の盗撮)

一方、盗撮している貝沼くんをターゲットに狙った二重盗撮。

今回つくづく良かったなあと思うのは、被害者のミサキさんは事実を知らないことです。

知らなかったらされて良いというわけでは決してないんだけど、もう蒸し返さないでほしい過去を利用されて、しかも盗撮までされていたなんて。地味に可哀想すぎる。彼女は幸せになって良い人です。

(しかもまあ盗撮場面を見る男どものいやらしい顔のこと!笑)

 

これは、盗撮そのものが目的ではなくて手段として利用されています。

 

 

宇津帆(アキラとヒナコ)

アキラとヒナコの公園でのやりとりを、宇津帆が盗聴しているシーンが描かれていました。途中でヒナコさんの夢に変わっていったのですが、盗聴はあったと仮定して。

これは、情報を得ること(ヒナコとアキラにどんなやりとりがあったか、どんな関係になっているか)と、2人が知らないところで知っている優越性みたいなのが二重にあると思います。

宇津帆さんは下劣なので、もしかしたらヒナコの盗聴はこれが初めてではないかもしれない。

盗聴しているときの宇津帆の顔。(筒井さんグッジョブ)

 

個人的には、情報を得ることはあまり重要ではなく(ヒナコがアキラにほのかな好意があることは薄々勘づいていただろうし)、そこにこっそり聴いている自分がいるという万能感が大事だったのかなと思います。

また、アキラに向いているヒナコの気持ちを一気に地の底まで下げることも目的にはあったと思います。

まあ、宇津帆さんの人として最低さ加減を際立たせるエピソードだったのかなあとも。

 

最後の盗聴

はい、超ネタバレですよ。エンドロールの途中で席を立った人、残念でしたよ。

最後の最後にこのシーンが登場することで「え?」と思いませんでしたか。

 

今回は友情出演的なちょこっとした登場だったボス。

しかししかし、最終的には全部ボスの手の内だったのねー的な!

 

今回、けっこう派手に色々とやらかしたわけですが、いちおう「人を殺さない」一線は守りました。(あれだけ派手に色々やって、団地のシーンは死者が出なかったのか甚だ疑問なのですが、出なかったことにしておこう)

ボスは全部知った上で、黙認していたのでは。こわーこわー

 

個人的には盗聴って良い意味では使われないんだけど、でも、これはなんだかすごく不思議。別の感触が湧きました。

いつもの佐藤兄妹(仮)の晩ごはんのやりとりを聞いてニコニコしている(ように見える)ボス。

なんだろう。子どもを見守る親的な感じがすごくしました。監視というよりは見守る感じ。普通の人として生活できているかなと。

もちろん、彼らが約束を違えればものすごい罰が待っているんだろうけど、そういう意味では全然ほっこりできないんだけど。そもそも殺し屋さんにほっこりしていいのかわからないんだけど。

裏社会を肯定するつもりは全くないですが、この人たちはなんかファミリーという気がする。良くも悪くも。

 

ボスが「人を殺すな」とお達しを出した経緯は本編では詳しく明かされていませんが

最後のシーンで、ああこの組織はやっぱり人体の構造の専門家なんだとかどうでもいい気付きもありました。

とにかく、最後のシーンでこれは続編があるのかもしれないと思いました。

うーん、これは楽しみです。期待大だなあ。

 

簡単なまとめ

今回いろいろな盗聴や盗撮が出てきました。

これらは物語の根幹ではなく、細部を演出する道具として使われています。

なんでこんなにいっぱい出てきたんだろうと不思議なのですが、ファブルの行動を見守るのは、ボスであり観客であるのかなあとかちょっと思いました。

映画「カメラを止めるな!」のような多層構造的な。これはちょっと飛躍しすぎかな。

 

 

 

関連情報

▽映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』公式サイト

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