最近久しぶりにケーキを焼きました。
ガトーショコラです。
子どもの頃からお菓子をつくるのが好きで、数年前まではよくお菓子を手づくりしていました。
前のブログでは、スイーツといえば手づくりのものがメインでした。本を読んで、そこからイメージされたお菓子をつくる、という変な企画もしていました。
憧れのブロガーさんのつくるスイーツを見たり、お菓子の本を眺めては
「ずっと続けていれば、いつかこういうスイーツがつくれるようになる」
と信じていました。
お菓子の本を読むのは楽しかったし、いろんなお菓子をつくるのも楽しかった。
手づくりのお菓子って買ってきたものにはない素朴な味がします。
余計なものは入ってないし、うちはきび砂糖を使うので、白い砂糖よりは少しからだにもやさしい。
ちゃんとしたバターときび砂糖でつくると、それだけでもけっこうおいしいのです。
でも、ここ数年で、ぱったりとつくらなくなりました。
たぶんお菓子づくりをしなくなったいちばんの原因は、生活が忙しくなったことです。お休みの日も出かけることが多く、お菓子をつくる余裕がなくなった。
たまにつくりたいなあ、つくろうかなあと思うこともありますが、つくるところまで行動が向かいません。
お菓子づくりって、面倒くさいのです。
材料も、砂糖や有塩バターならふだんからあるけど、無塩バターやアーモンドプードルや生クリームは買ってこないといけない。買っても余るから使い道を探さなくてはならない。
また、わたしは生来の不器用さんです。
もちろん続けることで多少のお菓子づくりスキルは向上しました。でも、どんなにがんばっても越えられない壁もあります。
ロールケーキはきれいに巻けないし、デコレーションケーキはいつもうまくいかない。
きっとこのまま続けても、憧れるブロガーさんのような素敵なスイーツをつくれる日は、おそらく来ない。
もちろん、お菓子教室に通って本格的にスキルを磨くとか、そういう方法だってあるでしょう。検討したことも、ないこともない。
でも。なんだかなあ。
そこまでの熱量が、もう、ない。
昨年は結局一度もお菓子をつくりませんでした。あんなに毎週のようにつくっていたのに。
いやいや、もうひとつあります。
毎週「次はあれをつくろう」と意気込んでつくってはいたけれど、幾分強迫的でもありました。
わたしはけっこうそういうところがあって、根が真面目だからか、はじめは楽しみで好きでやっていたことでも、いつのまにか「やらなきゃいけないこと」カテゴリに入ってしまって、ほんとうに自分がそれをやりたいのかわからなくなってしまうのです。
だから昨年は「ほんとうにわたしはお菓子をつくりたいんだろうか」と自問自答を繰り返しました。(真面目だからそういうことも真剣に悩んでしまう)
で、今年に入り、ほんとうに久しぶりに、お菓子をつくりました。
ガトーショコラです。小嶋ルミさんのレシピで、めちゃくちゃ面倒くさいです。たまごまでグラム単位で計るの。でも、できあがりは素人がつくっても、おいしい。
つくると、家族や周りの人は喜んで食べてくれます。みんな自分ではお菓子をつくらない人たちです。
一時期は、凝ったお菓子にも挑戦していました。
いまのところ、そこまでの熱量とベクトルはもう向かない。
でも、わたしはやっぱりお菓子をつくるのはそんなに嫌いじゃないし、時々ならつくってもいいかなと思いました。
ひとつ、新たにできた現在の目安があります。
つくるのは、シンプルなお菓子。焼きっぱなしで良いような、手間のかかりすぎないお菓子。
パウンドケーキやシフォンケーキ、クッキーなど。時にはタルトも良いでしょう。
凝ったお菓子は、買ったりお店で食べたりすれば良い。
お菓子づくりひとつに、そこまで悩まなくて良いじゃないとも思います。(わたしも何度も思いました)
でも、そうやって、生活のなかのひとつひとつに自分なりに折り合いを見つけていくこと。
わたしにとってはどうも、それは大切な作業でもあるようなのです。
ガチガチに固めてしまわないこと、も大事だと思っています。また変わってくることもあると思う。それはそれで。