『イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ―モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン』in あべのハルカス美術館

昨年から告知されていて、とても楽しみにしていました。

印象派が好きな方にはたまらない作品が多数、日本初来日です。

 

今回紹介する展覧会は、あべのハルカス美術館で2022年1月28日(金)〜4月3日(日)まで開催されます。

 

展覧会概要

50万点にのぼる膨大な文化財を所蔵し、豊かな印象派コレクションでも知られるエルサレムのイスラエル博物館。本展では、同館所蔵の印象派の名作が初めてまとまって来日します。
モネの自信作とされる《睡蓮の池》をはじめ、バルビゾン派からナビ派までの流れの中で、外光から内なる光へと向かった画家たちの「光の系譜」をたどります。

(あべのハルカス美術館公式サイトからの引用)

 

海外から来日する美術展は、欧米が多いと思いますが、イスラエルからやってくる美術展に赴くのは初めての体験です。

エルサレムのイスラエル博物館は、印象派コレクションが有名なのですね。

印象派が好きなわたしには、垂涎ものの展覧会であります。

 

今回は三菱一号美術館(東京)での開催を経て、1月28日(金)〜4月3日(日)まであべのハルカス美術館(大阪)での開催です。

3ヶ月のロングランなのも嬉しいですね。

 

今回は『光の系譜』がテーマになっています。

1  水の風景と反映
2  自然と人のいる風景
3  都市の情景
4  人物と静物

自然の光だけでなく人工的な光も含めて、さまざまなテーマで”光”にスポットライトが当てられて構成されています。

だから、作品も画家ごとではなくて、それぞれのテーマに沿って配置されています。

 

例えば、ピサロの作品は『2  自然と人のいる風景』に3点。いかにもピサロらしい村の風景を描いたものです。

『3  都市の情景』に2点。「ティエルリー宮廷園、午後の陽光」など都会の情景を描いたものもあります。(めずらしい!)

かと思えば、『4  人物と静物』に「ジャンヌの肖像」(娘さんの肖像画)もありました。(ピサロの人物画ってものすごくめずらしい!)

 

感想

印象派が好きな人には、至福の夢のような空間……!!

 

普段、絵画に興味のない人でもこの展覧会はそこそこ楽しめるんじゃないかな。

モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガンと、絵にそれほど詳しくない人でも一度は聞いたことのある画家の作品がたくさん展示されています。そのほとんどは初来日の作品です。

 

コローの作品がいきなり4点出迎えてくれます。(コローは全7点!)

前回行った美術展で、わたしはコローの作品をその日の一押しに選んだのですが、今回コローの作品をたくさん見させていただいて、お気に入り画家リストにコローが加わりました。(おめでとーパフパフ)

 

モネの「睡蓮の池」は、これまで見たことのない描かれ方をしていて、モネの睡蓮はいろいろ見ていますが、バリエーションが豊か。今回の作品も素晴らしかったです。

モネは「睡蓮の池」の他にも3点ありました。モネの多彩さがわかる、どれも全然違うテイストの作品です。

今回の「お気に入りの一枚」に、モネの作品を選びました。

 

ピサロは、わたしのお気に入りの画家なのですが(ダントツで好きなのです)、もう見ているだけで癒される。「ピサロは癒し系だなあ」とかアホなことを考えながら眺めていました。

セザンヌの作品も複数ありました。セザンヌはいつも一番には選ばないんだけど、見ると「あ、セザンヌだ」とすぐにわかるし、やはりなんとも言えない魅力があるなあと素人ながらに毎回思います。

ルノワール様は安定感。色彩の温かみがいつも好きです。人物画だけでなく、静物画も良いんですよね。密かにルノワールの花の静物画の絵はがきを持っています。今回の「花瓶にいけられた薔薇」も優美でした。

 

今回はゴーガンの作品も5点、展示されていました。こんなに一度に見るのははじめて。

ゴーガンというとタヒチのイメージが強いのですが、それ以前の作品も並べて展示されていて、稀有な画家だなあと今回改めて思いました。好き、とはまた違うところで、こころの琴線に触れる画家さんです。

 

レッサー・ユリィの「冬のベルリン」「夜のポツダム広場」も印象的でした。

都市だからこそ見られる光の情景を、見事に表現されていました。

 

そこまで絵画に詳しくないわたしでも知っている画家さんの作品がたくさんあって、ここでは伝えきれないくらい素敵な空間でした。

カメラ撮影OKの絵画が、複数ありましたよ。(わたしは撮りませんでした。写真に撮ると、絵を見る気持ちがなぜか削がれてしまうのです……)

 

今日の一枚:「エトルタ、アヴァルの崖」クロード・モネ

いつも美術展に行くと、その日の自分の「今日の一枚」を探します。

好きとかだけではなく、理由がうまく言えないのだけれど、どうしようもなくその日その場所で最も惹きつけられた作品です。

 

今回は、モネの「エトルタ、アヴァルの崖」1885年の作品です。

作品解説によると、当時その地がカジノなど娯楽施設で栄えていくなかで、モネは敢えて自然の切り立った崖を題材にして描いたそうです。(うろ覚えなのですみません)

ネットで調べてみると、このエトルタの崖は多くの印象派の画家によって描かれた有名スポットのようですね。

 

なぜ看板作品の「睡蓮の池」ではなく、無骨な自然の切り立った崖と海を描いた作品なのか、自分でもよくわかりません。ただ、この作品の前に立ったときに、ビンビンと絵から語りかけてくるものがあって、「あ、これはそうなのかも」とキャッチした感じです。

ピサロの作品のほうが普通に癒される感じで好きなのに、モネの作品は「睡蓮の池」「ジヴェルニーの娘たち、陽光を浴びて」のほうが心地良い感触を受け取ったのに、なぜか選んだのはこちらでした。

絵はがきも売っていたので、買ってかえりました。今年のお部屋を飾る作品です。

 

▷▷ モネの「エトルタ、アヴァルの崖」はこちらで見ることができます。(イスラエル博物館公式サイト(英語))

 

結び

とても楽しみにしていた展覧会だったので、無事に行けて良かったです。

ハルカス美術館は、オンラインチケットのほか当日券も販売しています。ホテルのレストランや展望台のセット入場券もありますよ。

チケットで近鉄百貨店のハルカスダイニングでお得な割引も受けられます。

 

関連情報

▽あべのハルカス美術館公式サイト

あべのハルカス16F、誰もが気軽に芸術・文化を体験し楽しめる「都市型美術館」です。…

▽イスラエル博物館公式サイト(英語です)

▽前回行った美術館のお話。

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