モネ展(大阪展)に行ってきましたよ。よ。
待ち侘びたモネ展。熱く語っております。
「モネ 連作の情景」開催概要
東京と大阪で開催
東京展:2023年10月20日(金)〜2024年1月28日(日)
(会場:上野の森美術館)
大阪展:2024年2月10日(土)〜2024年5月6日(月)
(会場:大阪中之島美術館)
東京展と大阪展で、一部展示作品に違いがあるそうですよ。
見どころ1 モネの連作絵画に焦点を当てた展覧会
モネといえば絵に疎い人でも一度は聞いたことがある代表作「睡蓮」
「睡蓮」だけでもたくさんの数が描かれています。わたしもこれまで何点か見てきました。
それくらいモネは、同じ場所やテーマも、季節や時間帯、天候によって異なる表現を「連作」として発表してきました。
つまり、絵画1点だけでも十分素晴らしいのだけれど、一方で1枚の絵画だけじゃモネの魅力はわからない。
今回は、その「連作」に焦点を当てながら、モネの画家としての生涯をたどります。
見どころ2 すべてがモネ 国内外40館以上から代表作を出品
会場のどこを見渡してもモネ。モネ。モネ。モネしかいません(笑
印象派以前の作品も複数展示されています。
海外30館以上を含む、国内外40館以上から一堂に介したモネの代表作を鑑賞することができます。
なかには日本初公開の作品も……!
見どころ3 印象派の誕生(1874年)から150年を迎える節目の展覧会
モネは、当時フランスの画家にとってほぼ唯一で最大の作品発表の機会だった、国が主催する公募展であるサロンから距離を置き、新たな発表の場として仲間たちとともに1874年4月に第1回印象派展を開催しました。本展は、「印象派」の誕生から150年目を迎えることを記念して開催される展覧会です。
(公式サイトより)
今年(2024年)は、印象派誕生から150年の節目の年なのだそうです。
当時のフランスで画期的だった「印象派」の誕生。
いまでは、日本はもちろん、世界中で愛されていると思います(わたしも印象派大好き!)
そんな節目の年に、印象派を代表するモネの展覧会は開かれたのです。幸せなことです〜
感想
さすがモネ展。わたしは平日に行きましたが、これまでと人の多さが段違い!
日本人のモネ好きを窺い知ることができました。
個人の画家に焦点を当てた展覧会は、わたしは2020年に兵庫県立美術館で開催されたゴッホ展以来。
(ちょうどコロナ禍に差し掛かる時期で、時期的なこともあってブログには上げていません。ひっそりとひとりで行きました。まあ、いつも美術館はひとりでひっそりと行くんですが)
ゴッホ展は、わたしのなかのゴッホ苦手意識を払拭したくて行ったのですが
残念ながら「ゴッホはやはり苦手だ」という結論しか得ることができませんでした。
(と、ここで苦手意識を持ち帰って現在もそれは克服されていないのだけれど、「嫌い」とは違って「苦手」。エネルギーのある画家さんであることは言うまでもなく、苦手なのだけれども関心を持ち続けています。現在進行形でそれは続いていて、やはりゴッホは人を惹きつけてやまない類稀な画家なのだろうなあと思う。そのうち「苦手」がまた変化するかもしれない)
・・・・ゴッホで話が逸れました(すみません…
* * *
モネ展に戻りまして。
どこを見渡してもモネ。右も左もモネ。端から端までモネ。
なんだろう、この素敵な空間は。
モネ好きさんにはたまらない、モネワールドが展開されていました。
あと倍くらい展示されていても良いくらいだった。むしろもっとモネを! と思ってしまった(笑
と、ここまで書いておいてなんですが、実はわたしはこれまでそんなにダントツでモネが好きではなかったのです(えーっ
印象派のなかで、実はいちばんの推しはカミーユ・ピサロ。
モネもルノワールも大好きなのですが、いちばんはピサロなのです。理由はありません。惹かれるのです。これはいまも変わりません。
でも、ピサロとは違う次元で、やっぱりモネは好きだなあと思いました。
言葉に表すとむずかしいのですが、ルノワールには色彩豊かな温かみのある明るさを、ピサロには心に染み入る親しみを覚えることが多いです。
でも、モネはそれとはまた違う。そんなふうに言葉に言い表せないのです。
それは、モネの描いた作品の数の多さにもあるかもしれません。
みんなが知っている「睡蓮」だけでも何作あるのだろう(わたしもこれまでいろいろ見てきた)
それ以外にも、今回のテーマ「連作の情景」と言われる連作でも、睡蓮以外にもいくつもある。
単純にひとことで言い表すと、わたしのなかのモネは「邪魔しない」のです。
たとえばゴッホの作品は、その圧倒的な存在感(エネルギーの塊のような)で自分の存在を主張するように在るのです。
わたしのなかにはゴッホの居場所はないので、そうやってやってこられるとどうしていいか戸惑ってしまいます。
(※あくまで主観の話です)
でも、モネは見ていて疲れない。全然疲れない。
いつまで眺めていても、見飽きることなく眼前に奥行きを与えてくれます。
もちろん存在感はあるし多くの人を惹きつける魅力があるのだけれど、それでいて「どうぞご自由にお楽しみください」と言わんばかりの奥ゆかしさとさりげない優しさを感じるのです。
(※これも、あくまで主観の話です)
もちろん時期によっての作品の質の違いもあります。
今回、ラストを飾っていた『5章 「睡蓮」とジヴェルニーの庭』は、作品の大きさとダイナミクスが圧倒的でした。
そのなかには最晩年、亡くなる前の年に描かれた作品もあります。
80代でもモネの勢いは衰えることがありません。もうこの時期には、眼も患っておられたのに。
(長年の屋外での創作活動によって、モネが白内障を患っておられたのは有名な話です。まあ、高齢になると白内障は誰にでも起こりうるのですが…)
今回展示されている作品だけでも80点余り。
たとえば同じ場所を描いた作品でも、時期によって受ける印象は異なります。
モネといえば「連作の人」
同じテーマでも、これほどに多種多様なのだとそのバリエーションの豊富さに驚かされます。
画家という生き方そのものもそうですが、ひとつのことを突き詰めていくことは、どんどん深部まで深く潜っていくような底の深さを知る心地でした。
そういう在り方が合う人もいれば、合わない人もいる。モネは前者だったのでしょう。
世界にはまだわたしの知らないモネがたくさんいる。
これからも、もっとたくさんのモネに会いたいと、思いました。
今日の一枚:ヴェンティミーリアの眺め(1884年、ボルディゲラ)
いつも展覧会にいくと、「今日はこれ」という1点を探します。
今回は、どこもかしこもモネで、選べないかもしれないと心配しましたが杞憂でした(笑
ちゃんと「今日はこれ」が見つかりました。
1884年の作品「ヴェンティミーリアの眺め」です。
公式サイトの表紙(背景)にも使われている作品。(あとで気づいた・笑
イタリアにある港町ヴェンティミーリア。
モネは旅行先の風景を描くことも多かったのです(これもまた連作!
眼前に緑の木々、奥に港町と連山、そして海の風景。
青を基調とした色味。吸い込まれそうな奥深いタッチ。
今回はこの作品に見入ってしまいました。
ちなみに。絵はがきとロルバーンのメモ帳も売っていたので買ってしまいました。
ロルバーン好きなんです。手帳も長年ロルバーン愛用。
普段グッズは絵はがきを買うくらいですが(それも私的「今日の1枚」が売っていたときのみ)、迷わず手に取って購入しました。
ちなみに。中之島美術館へ行くのはこれで3回目。いままででいちばんグッズ売り場も長い行列ができていました。
みなさまのモネ好きを窺い知ることができます(笑
わたしも。
▷▷ 今回紹介した絵はこちらから見れます (参考URL:Art UK)
結び
モネ展(大阪展)は、5月6日までのロングランです。
3月まで展示の作品と、3月下旬から展示される作品もあります。
気になる方は、ぜひ足を運んで、心ゆくまでモネを堪能してくださいね。
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