運動するのは良いこと尽くし『新版・一流の頭脳 運動脳』アンデシュ・ハンセン

旧版(「一流の頭脳」)も読んだことがあるのですが、新版が出たと知って読んでみることにしました。

 

感想

とにかく「運動は脳(心)にも身体にもいいぞ。良いこと尽くしだぞ」と手を替え品を替え説明されています。

本書を読み終わる頃には、きっとあなたも運動したくなるはず!(どっかの通販番組のようだ

 

今回も、3つのテーマをつくってまとめています。

お品書き

  1. 脳は生活習慣(運動)によって変えられる
  2. 運動がストレス耐性を上げる!?
  3. 身体を動かすことが最良の薬

 

それではいってみましょう。

 

脳は生活習慣(運動)によって変えられる

生まれ持った性質で脳の連携パターンや、軸のどちら側に属するかが決まるわけではない。それを決めるのはあくまで生活習慣だ。私たちはみずからの選択によって、これまで考えられていたよりも基本的なレベルで脳の機能を変えることができるのだ。

(P44 第1章 現代人はほとんど原始人)

脳の可塑性の研究においては、身体を活発に動かすことほどに脳を変えられる、つまり神経回路に変化を与えられるものはないことがわかっている。しかも、その活動を特別に長く続ける必要はないという。じつをいえば、20分から30分ほどで充分に効果がある。

(P55 第1章 現代人はほとんど原始人)

 

つまり、運動することは単に身体に良いだけじゃなくって、脳にまで影響を及ぼすということ。

脳は想像以上に柔軟性(可塑性)があるんですよ。

 

著者によると、脳トレとかよりも、運動するほうが脳に効くらしいです。へー

 

運動がストレス耐性を上げる!?

ストレスに関連する「コルチゾール」という物質について

あなたがランニング、あるいはサイクリングなどの運動をすると、それを続けている間はコルチゾールの分泌量が増える。なぜなら肉体に負荷がかかる活動は一種のストレスだからだ。

(P72 第2章 脳から「ストレス」を取り払う)

 

「ええー、じゃあ運動しないほうがいいんじゃないの!?」と思いきや・・・・

 

しかし運動が終われば、身体はストレス反応を必要としないので、コルチゾールの分泌量は減り、さらにランニングを始める前のレベルまで下がっていく。ランニングを習慣づけると、走っているときのコルチゾール分泌量は次第に増えにくくなり、走り終えたときに下がる量は逆に増えていく。

 

ほうほう。ランニングを続けると、ストレス負荷が下がる上に、身体の爽快感が増すのはそういう仕組みですか。

 

さあ、ここからがおもしろいところだ。
定期的に運動を続けていると、運動以外のことが原因のストレスを抱えているときでも、コルチゾールの分泌量はわずかしか上がらなくなっていく。運動によるものでも仕事に関わるものでも、ストレスに対する反応は、身体が運動によって鍛えられるものにしたがって徐々に抑えられていくのだ。
 つまり運動が、ストレスに対して過剰に反応しないように身体をしつけるのである。単に運動をしたために「全般的にいくらか気分がよくなっている」だけでなく、身体を活発に動かしたことでストレスに対する抵抗力が高まるのである。

(P72 第2章 脳から「ストレス」を取り払う)

 

なんと。

運動で上がったストレス耐性は、運動以外のストレスにも効果があるらしい。

 

ちなみに、このレベルになるためには一回二回の運動では効果が薄く、継続的に行うことでこの状態になるらしいです。

まさに運動する生活習慣が脳を変える、ですね。

 

身体を動かすことが最良の薬

「人間には歩くことが何よりの妙薬となる」これは健康雑誌でよく見るお決まりの文句などではなく、医学の父、ヒポクラテスの言葉だ。はるか2500年前、近代の医療技術とは無縁の時代に、ヒポクラテスは身体を動かすことが、肉体的かつ精神的な健康のためには欠かせないことを知っていたのだ。

(中略)

私たちは忘れてしまったのだ。脳と身体にとって、身体を動かすことが最良の薬であることを。願わくば、多くの人に思い出してもらいたい。

(P350~351 第9章 最も動く祖先が生き残った)

 

前に読んだときになるほどと思ったはずなのに、私も忘れていました(笑)

 

自分なりに階段を使ったりこまめに動くように心がけていたつもりでしたが、再読して、改めて身体を動かす習慣の大切さを実感しました。

 

まとめに変えて

運動といっても、ジムに通ったりとか、スポーツクラブに入ったりとかお金をかけなくてもいいのです。(もちろん入ってもいい)

できればランニング、ランニングがむずかしければウォーキングでもいい。

(個人的に、ランニングやウォーキングに適した靴を用意すると、歩いたり走ったりするときのストレスが下がります。走りやすい(歩きやすい)靴ってそれだけでモチベーションが上がる)

 

わたしは仕事ではあまり動き回ることは少ないので、エスカレーターをなるべく使わずに階段を使ったりとか、ちょっとくらいの距離なら歩くことを選んだりとか、日頃からなるべく身体を使うことを工夫しています。

 

でも、本書を読んで、ずっとサボっていた休日の朝ランニングを復活させました

 

わたしはもともと、ランニングは苦にならない人。

球技などの団体スポーツより、ひとりで黙々と走る長距離走のほうが性に合っているのです。

 

家のなかでもテレビとかYouTubeを見ながらちびちび走っているのですが

久しぶりに外で走ると、まあ身体がなまっています(笑

わたしはいつも3〜4kmくらいの距離をのんびり30分くらいかけて走るのですが(疲れてきたら歩く)、最初は正直しんどい。全然ラクじゃない。

でも、終わるころには身体が走ることに慣れてきて、不思議とスッキリと爽快感がありました。

 

著者の言うような頻度では続けられないのですが、今後も出来る限りこの習慣は続けていきたいなあと気持ちを新たにしました。

また忘れたころに読み返したいですね。

 

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