前回の続きです。
花の巌神社をあとにして、奈良の玉置(たまき)神社を目指しました。
玉置神社について
概要
玉置神社は奈良県十津川村の端のほうにあります。
大峰山脈の南端に位置する標高1,076mの玉置山の山頂近くにあり、大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)が2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されました。
創立は紀元前三十七年第十代崇神天皇のころと言われています。
古くより熊野から吉野に至る熊野・大峰修験の行場の一つとされてきた、大変歴史のある神社です。
境内には樹齢3000年ともいわれる「神代杉」をはじめとして、天然記念物の巨杉があります。
奥深い場所にあるせいでしょうか、「呼ばれないとたどりつけない場所」とも噂されています。
わたしは、最初に知ってからなんだかんだで5年越しでやっとたどり着くことができました。(嘘のような本当の話)
御祭神
本社御祭神
国常立尊(くにとこたちのみこと)
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
伊弉冊尊(いざなみのみこと)
天照大御神(あまてらすおおみかみ)
神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)
〜超簡単な解説〜
国常立尊(くにとこたちのみこと)は、日本書紀では最初に生まれた神様とされています。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冊尊(いざなみのみこと)は国生みとたくさんの神様を生んだことで有名な神様。
天照大御神(あまてらすおおみかみ)は、イザナギとイザナミのお子さん。皇室のご先祖様といわれています。
神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)は、日本書紀での神武天皇の呼び名。神武天皇は初代天皇。
玉置神社は日本書紀を主なルーツとする神社のようです。
摂社・三柱神社御祭神
倉稲魂神(うがのみたまのかみ)
天御柱神(あめのみはしらのかみ)
国御柱神 (くにのみはしらのかみ)
〜超簡単な解説〜
倉稲魂神(うがのみたまのかみ)はお稲荷さんに祀られている稲の神様。
天御柱神(あめのみはしらのかみ)は、風の神様。級長津彦命(しなつひこのみこと)(男神)とも呼ばれる。
国御柱神 (くにのみはしらのかみ)も、風の神様。級長戸辺命(しなとべのみこと)(女神)とも呼ばれる。
天御柱神(あめのみはしらのかみ)、国御柱神 (くにのみはしらのかみ)は、奈良の龍田大社の御祭神としても有名です。
伊勢神宮の風宮、風日祈宮とも縁がありますね。
末社・玉石社
大巳貴命 (おおなむぢのみこと)
〜超簡単な解説〜
大巳貴命 (おおなむぢのみこと)は、大国主命(おおくにぬしのみこと)の別名です。国津神の神様。
神様はいろんな呼び方があってややこしいですね。
大国主命は、出雲大社がとても有名ですね。
玉置神社 地図
玉置神社は山の上にあるのでまずは駐車場まで行き、そこから参道を通って本殿まで行きます。
基本的には車で。土日祝は、昴の郷、十津川温泉から1日1便のバスが出ています。(要予約。12〜3月は運休)
2022年10月追加情報
十津川村観光協会によると、12〜3月の期間は、十津川温泉に宿泊の方限定で周遊観光バスを運行するそうです(※4〜11月は奈良交通、12〜3月は三光タクシー。運行母体が違うみたい)。詳しくは観光協会ホームページをご確認ください。
狭い山道。わたしは友人と一緒に行きました。自分の運転では来れる自信がなかったなあ。。。
たどり着くまでは大変でしたが、駐車場とトイレは整備されています。
たくさんの人が訪れているんですね。寄付金も募られていて、改修工事にあてられているそうです。
今回は参道〜御本殿までの道のりを行きました。
鳥居〜参道
山の上なので天候は不安定でした。
この日はずっと霧と小雨が降っていました。湿度100%だったと思う(体感
以下、写真はもやがかかったようになっていますが、霧です。
もうこの時点で異界に迷い込んだような感覚です。
てくてくと参道まで歩いていきます。
駐車場からもけっこう歩きます。山道というほどではありませんが、それなりに歩く準備はしていったほうが良いです。
道中の(木の)写真はInstagramに上げています(宣伝)。
参道〜本殿
てくてく歩くこと5〜10分くらいでしょうか。やっと、え? ここからが参道??
やっと参道に入りました。参道は階段ですが、迂回するルートもあります。
階段。こまめに手入れされている感じがあるので、安心して通れます。
また階段。参道からもさらに歩きます。
わたしは木が好きなので、うきうきとのんびり歩き、友人にご迷惑をかけてしまいました(これでも気を遣って急いだほうなのだ←……
どこを撮っても絵になる。霧は天候によって差があると思われます。
全体的には湿潤な感じで、木も苔がたくさん生えていました。
霧のせいもあるんですけど、普段自分が過ごしている現実と違う空気のなかにいるような感覚です。
ほんとうに不思議な体験でした。
手水舎。龍がいらっしゃいます。
道中はあまり人とすれ違うこともなく、逆に本殿に行くと人の気配があって少し現実に戻ってきたような感覚になりました。
本殿へ続く階段です。標高約1000メートルの場所にあります。
別アングル。
階段を上がって左手に社務所があります。
階段の先。こちらが御本殿です。
階段は手すりがないのです。降りるときに下を見るとなかなかスリルがありました。
この階段もなんだか特別な感じがあります(なんでも不思議体験に感じるそれが玉置神社)
御本殿をお参りして左手に行くと、神武社(奥側)、若宮社(手前側)などがあります。
その後ろ手に見えますのが、今回の参拝のもうひとつの目的地でした。
神代杉、夫婦杉、大杉
玉置神社には、樹齢数百年の大きな木がたくさんあります。
もともと神代杉を勧められて行くことになったので、やっぱりこちらを見ないと帰れません。
御本殿の裏手にあります。
こちらは夫婦杉。これまで数多くの夫婦杉を見てきましたが、ひときわ立派な夫婦杉でした。
さらに奥のほうにいきますと
こちらが神代杉です。大きい!
樹齢約3000年といわれている巨杉です。
霧も相まって神々しさが半端ありません。ジブリに出てきそうだ(語彙力……
境内は永らく聖域として伐採が禁じられてきたため、杉の巨樹林がいまも残っています。
わたしたちが生まれるずっと前からここにいる。これからも末長く守ってほしいです。
手水舎のそばに脇道へそれるルートがあります。
県内でいちばん大きな杉は、神代杉ではなくこちらとのこと。
参拝後にウキウキと見に行きました。
この道を少し下っていきますと、大杉さんに出会えます。
こちらが大杉。こちらもでかい!!(写真におさまらない)
境内でいちばん大きな杉で、高さは約50メートルにもなるそうです。
神代杉の姿も美しいですけど、こちらのしゅっと真っ直ぐに立ったお姿も素敵ですね。
結び
長年の夢が叶って無事に行けて嬉しかったです。
道中ずっと霧が出ていて、友人とも「あれは現実だったんだろうか」と話すほどでした。
とても不思議な時間を過ごすことができました。
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ちなみに、十津川村では谷瀬の吊り橋にも寄ってきました。
高所恐怖症なのですが、吊り橋は大丈夫でした。(どうでもいい
関連情報
〒647-1582 奈良県吉野郡十津川村玉置川1
駐車場 有り(無料)
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