「蒼穹のファフナーTHE BEYOND」 第4〜6話まで見たところの感想・考察

とりあえず見たところでの所感を残しておこうと思ってざっと書いたんですが、もうちょっと掘り下げてみます。

 

▽BEYOND 第4〜6話ざざっと感想(箇条書き)

とりねこブログ 

今月は土日に用事が重なって、やっと観に行ったファフナーの感想をなかなか書く時間が取れませんでした。   とりあえず見ての…

 

※BEYOND4〜6話までのネタバレあります。

※ざっと書いた感想とかぶるところもあります。

 

第四話「力なき者」

初期からEXODUSまで一気に見たあとなので、映像の美しさに技術の進歩を実感するのと(令和のファフナーは流れるように美しい)、それぞれのキャラのその後が色々と見られて、どこから触れたらいいのかわからないくらい嬉しいです。

 

子どもの癇癪と、ファフナー式のしつけ(笑)

美三香がとってものびのびと大人気ないのが、なんだかEXODUSで球体にまでなったことを考えると感慨深いです。(褒めています)

変な黒いコートの人(一騎)に連れ去られた新総士からすると、次から次になんなんだ的展開なのはまあ致し方ないかなあと。

 

最終的に、いまみんなの目的は、アルタイルが眠っている竜宮島です。

海神島も、新国連も、人類軍も、べノン軍も。

大雑把に言うとべノン軍と相いれないから、人類側は協働しましょうと言う流れ。

でもこれ、単純な同盟関係ではなくていろいろな思惑があるなかでのひとまずの関係というか。史彦さんの努力のたまものではないかと。

 

もともとべノン軍ができた発端はギャロップさんたちかと思うと、やっぱりなんだかなあと思います。

 

フェストゥムが、すでに地球外からやってきたよくわからない者から、その質も、意味も、大きく変わりつつある。

BEYONDで鍵を握るのは、新総士と美羽ちゃんかなと個人的には思います。

 

総士がとっても表情も言動も豊かで、先代と全然違うのが面白いです。

前の総士は、小さい頃から乙姫と島を守るように言われ続けてきたもんなあ。

そう思うと、竜宮島の場所を思い出させるための装置とはいえ、竜宮島を再現してそこである意味平和に暮らせた3年は、べノン軍のやったこととはいえ総士には悪くない体験だったのかもしれない。

新国連や人類軍に仮に囚われていたら、こうはならなかったでしょう。(と、かつて囚われた一騎や真矢の体験を思い出すとそう思う)

 

べノン軍に賛同はできないんだけど、単純に「こいつら敵だ」と思えないものを孕んでいるなあと思います。育ち方を誤った子どもの集団みたいな感覚があります。

それにしては、総士のニヒトでの癇癪よりもずーっとたちが悪いのはありますが。

 

第五話「教え子」

海神島式、新総士教育プログラム(笑)

みんなそれぞれに自分の得意なことで総士に教えてあげていて、個性的ででもいかにも島っ子らしいなあと思います。

竜宮島に渡った人類軍の人たちが、西尾のおばあちゃんに「平和を教えてあげるよ」と、くじ引きでどこに勤めるか(アルヴィスじゃなくて、干物屋さんとかそういうほう)決められていたのに似ています。

 

ルヴィ様のお言葉が、いちいち格言のように響きます。

予告編でもずっと流れていたけど(YouTubeのファフナー一気見で死ぬほど見た。これ以上にないくらい抜群の宣伝効果ですよね。テレビのCMで流すよりも効果があると思う)

 

▽これ(何回見ても飽きない)

 

あなたがいると定めた場所が、あなたをあなたにするのです

 

最初からあるフェストゥムの

あなたは そこにいますか

 

に、リンクしている。

 

あ、あと彗の

敵なんてどこにもいない。状況が敵をつくる

も、示唆に富んだ言葉ですよね。

 

ファフナーは名言がいっぱいだなあ。

 

 

美羽ちゃんの「うちにおいでよ」発言で、総士がまさかの遠見家へ居候することに。

しかも、いちばん懐いているのが真矢おねえさんというのが!(笑)

 

 

第六話「その傍らに」

全12話だと、もうこれで半分。

12話って短いですね……展開が早い早い。

 

来主のとんでも発言からいろいろ波紋が。

ものすごく重いことをさらりと軽く言うのが来主らしくて、でもそこから生まれたものを拾っていくのが育てるってことなんだろうなあと。(マレスペロに足りないところ。誰も与えてくれなかった)

容子さん、そりゃあ怒ります。

 

で、なんかよくわかんなくて、とりあえず気持ちをおさめようとして向かう先が、「美羽食べていい?」なのが、また来主らしい(笑)

 

美羽ちゃん、そこは「片手くらいなら良いよ」じゃないよ!

新総士がなんかまともな感じがしてきた。

 

このへん、島の大人たちが子どもたちに徹底的に情報を隠して平和という文化で育ててきたことがいかに大変で、でも大事なことだったかわかります。

美羽ちゃんは、いろいろイレギュラーで、エスペラントという類稀なものを持って生まれてきたから、いろいろすっ飛ばしてしまって、外見とか大きくなっているけど、よく見てみるといろいろアンバランス。

幼いころに大切なお友だちと母親を目の前で失って、「そういうもんだ」みたいな変な達観ができている。

 

(このへん、弓子さんが母ひとりになってとにかく美羽ちゃんを守りたくて不安でしかたなかったのと対比的)

 

そういう意味で、総士だけでなく、美羽ちゃんも来主もまだまだ育ちの最中なのかもしれない。

 

来主の発言からすると、乙姫みたいに、生まれ変わることになるのかな。

でも乙姫と織姫が違う存在であるように、生まれ変わってもそれはまた違う存在になるわけで。

容子さんが悲しまないわけがない。

 

真矢がそこを埋める言葉を容子さんに伝えるのが、しみしみと染み渡ります。こういうことを言えるのはやっぱり真矢だから。

 

あっさりとベノン軍に侵入されて、え、めちゃくちゃやばくない? 的怒涛の展開です。

いろいろと展開が急で、気持ちが追いつかない。

 

もちろん最後の展開がいちばん驚きです。

史彦は海に落ちたけど、たぶん助かっていると信じるとして(じゃないと、千鶴さんがかばってまで助けた意味がなくなる)

 

千鶴さんが、千鶴さんが

美羽ちゃんに「みんなのお母さん」と言わしめて、これまで密かに影からアルヴィスを支えてきた、ほんとうに縁の下の力持ち的お母さん的存在。(史彦はお父さん的存在)

 

海神島に帰還したときに、史彦さんに周りの人が恥ずかしくなるほど素直に感情表現されていて(5年の歳月のたまもの)、なんだか微笑ましいなあという感慨から一気に落とされる。

それがファフナー

 

どうでもいいんですが、千鶴さんがいなくなったら遠見家のごはんは誰がつくるんだろうとどうでもいい想像をしてしまいました。

だってまだ子ども(美羽と総士)と、料理の苦手な真矢(あの描写からすると真矢はメインで台所に立っていないと思う)しかいないではありませんか。

ここはやっぱり、一騎の出番では!?(総士と一騎の和解のチャンス)

 

とか、そういう現実逃避の妄想をしてしまいます。

 

べノン軍

最後にべノン軍について、ちょっともう少し掘り下げてみます。

マレスペロ率いるべノン軍(フェストゥム)側が、人間に近づいているという感じが今回色濃く出てきました。

美羽やマリスのように、フェストゥムと対話できる存在となるエスペラントが生まれて、人間の側もフェストゥムに近づいていて。

一期のころに比べると、確実に人とフェストゥムはそれぞれのやり方で近づいている。歩み寄っている、と言っていいのかはわからないけれど。

 

利用していた(プロメテウスの岩戸のように)がゆえに、逆にマレスペロ(プロメテウス)に憎しみという感情を教えてしまったのもまた人です。

つまり、BEYONDまで来て、単純に人対フェストゥムという単純な構図ではもはやないんだなあという印象がさらに強くなった。EXODUSでもそれはあったけど、さらに。

 

ここでマレスペロたちべノン軍をフェストゥムと一括りにしていいのかは難しいところなのですが、大雑把にいうと、いちばん統率されているのはべノン軍になっているから、大雑把に括るとべノン軍=フェストゥムの大部分として。

 

マリスは、エスペラントで人間でいながらプロメテウス側に寝返っています。

つまり、人でもフェストゥム側に賛同する動きが出てきているということ。

 

広い視野で見れば、新国連や人類軍がやって来たことが必ずしも正しいとはとてもとても言えず(もちろん竜宮島の論理が必ずしも正しいとも言えないけれど、視聴者としてはそっちを信じる側でいたい)、現在のところべノン軍に与するのって傀儡化された人みたいな感じですが、憎しみを発端にそういう方向にいく人だってもしかしたら、これから出てくるかもしれない。

なんか、怪しい新興宗教とか過激派テロ集団に行ってしまうような理屈で。(実際べノン軍って怪しいおまじないがついている)

 

一方で、来主みたいに、フェストゥムから始まってなんだか人にどんどん溶け込んでいる(?)ようなタイプもいます。

 

現在のところ、べノン軍は明らかに人類の敵なのですが、なんかマレスペロの出生とか、人の性とかを考えると、確かに戦わないといけないんだけど、最終的にはファフナーらしく対話がキーワードなのかなあと思います。なってほしいなあという希望的観測でもあります。

そして、対話のための土台はどんどんと進んでもいる。

 

箇条書き感想でも書いたんだけれど、EXODUSで、一騎はミツヒロを討とうと思えば討てたはずです。

ミツヒロが戦意を喪失した時点で、それは可能だったはず。

一騎もギリギリまで行っていたとは思うんですが(総士に無の地平線で追い返されているし)、やっぱりそこは何かしらの布石が残されていると期待したいところなのです。

 

結び

基本的には、一騎たちアルヴィス側の視点から眺めているのには変わりないんだけど、べノン軍について「それってどうなんだろう」と単純に敵だー! という視点ではない感想がするすると出てきて、自分でもびっくりしています。

次の7~9話はいよいよ竜宮島も出てくるのかな。

続きもとても楽しみです。

 

もう1回観に行きたかったけど、上映館もスケジュールも限られていて、2回目は厳しそうです。

まだ、観に行ける地域に住んでいるだけ幸いなのですが。大画面で観るファフナーは、とっても壮麗です。

 

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