ポンペイ展 in 京都市京セラ美術館(2022年5月)

気になっていたので行ってきました。

京都の美術館は久しぶりです。

いつの間に「京セラ美術館」に変わったんだ……(2019年に変わったそうですよ。ちなみに京セラドーム(旧大阪ドーム)は大阪にありますよ。よ。ネーミングライツ(命名権)取りまくりですね。すごいですね、京セラさん)

2017年に改修工事がされてすっかり綺麗に見違えていました。

なかにはお洒落なカフェもできていましたよ。(混んでいたので利用せず……)

※2023年5月追記

▷▷ 美術館併設カフェ「ENFUSE」へ行ってきました。

ポンペイ展概要

ポンペイ展は全部で6つのブロックに分かれていました。

序章 ヴェスヴィオ山噴火とポンペイ埋没

1  ポンペイの街ーー公共建築と宗教

2  ポンペイの社会と人々の活躍

3  人々の暮らしーー食と仕事

4  ポンペイ 繁栄の歴史

5  発掘のいま、むかし

ちなみにポンペイ展は全作品写真撮影可能でした。

(わたしはこういうときは目に焼き付けたい人なので写真は撮りませんでした)

感想

ポンペイ展で感じたことをつらつら書いてみたいと思います。

※個人の感想なので悪しからず。

複雑な感情

ポンペイは、以前から頭の隅っこにずっと興味がありました。

こんな風に、展覧会が開催されて実際にポンペイの街の軌跡をその目にすることができたのは、とても貴重な機会でした。

だから行ったことには満足。後悔はしていません。

でも、なんというか「良かったねー」と手放しでウキウキと喜べない複雑な感情が沸き起こりました。

これは、最近エジプトのピラミッド展に行かなくなったのと感覚が似ている。(昔はよく行っていたんですが、最近はめっきり行かなくなりました)

でも、それよりも複雑な感情。

ポンペイは、ただの遺跡ではありません。

ある日突然、火山の噴火によって日常が途切れた遺跡です。

火山灰に埋もれていたからこそ、2000年近く経って発掘されたのです。

2000年近く沈黙、忘れ去られていた場所。

死者のための墓でもない。

文明が廃れて遺された跡でもない。

そこには、2000年経っても人々の生活していた痕跡が生々しく残っている。

と、考えてしまうのです。想像してしまうのです。当時の人々の存在を。

大昔の墓荒らしのようにではなく、研究・保存のために現在も発掘が進められているのはとても有意義なことです。

でも観覧する立場からすると、どこか当時の人々のプライバシーを覗き見するような感覚がありました。

これは鑑賞することを第一としている美術展とは全然違う感覚だなあ。

わたしが、こういうタイプの展覧会に慣れていないこともあるかもしれません。

もちろん、ポンペイ展にも美術品はたくさん展示されていましたが、「鑑賞する」ことよりも 「畏敬の念」のほうが先にくる感じです。

だからいつもの絵画などの展覧会とは全然違う心持ちで眺め、感想を書いています。

高度な文明

驚いたのは、約2000年前の古代ローマの都市文明の豊かさです。

え? ほんとうに約2000年前?? と目から鱗になることばかりでした。

2000年も経っているのに、そんなにいうほど人々の生活様式は変わっていないんじゃないかとか。

もちろん当時のローマは身分制度もありましたし、貧富の差も大きかったわけですが、奴隷の身分は流動的でもありました。(元奴隷の立場から次代に財を成して成功している人の記録もあった)

超少数派ではあるけれど、女性実業家も存在していたことにも驚き。

美術品も、現代から見てまったく古びないものばかり。(この辺は美術史に疎いので、素人意見ですが)

歴史は進むごとに日々進歩しているものだとばかり思っていたけれど(もちろんそういう側面もあるけれど)、果たして現代は2000年前の当時よりどれくらい進んだのだろうか、ほんとうに進んでいるのだろうか。進歩ってなんだろうと考えてしまいました。

今、この時代を生きるわたしたちには、ここが時代の先端だけれど、後100年200年、1000年経ったとき、果たしてこの時代はどう見えているのか。

一方、今回展示されているものの多くは富める側の邸宅から見つかったものです。

既に当時、権力や富の象徴として自分の邸宅を豪華に飾りつけることが為されていたから。

だからこそ貴重な美術品や装飾品、道具なども見つかっていて、それは現代のわたしたちに語りかけてくれる。

でも、そういった人たちはごく少数。(そこも現代と同じ。いつの時代も富める人は少数)

大多数は、市井の人々。

日常を生きることに精いっぱいな人々。

そこには奴隷の身分の人も多く含まれていたはず。

そういった人たちは、どんな風に日々暮らしていたのかな、とか。

今の時代と比べてどうだったのかな、とか。

どんなことを考えながら日々生きていたのかな、とか。

そんなこともつらつらと考えてしまいました。

ちなみに、当時は富裕階層の家には台所があったそうですが、一般家庭には台所はなく食事は外でふつうだったそうです。(今風の言葉で言うとテイクアウトとかも)

家に台所があるのは金持ちのステイタスだったのですね。

普段にはないいろんな物事に思いを馳せながら眺める展覧会になりました。

今回わたしが感じたことは、あくまでわたしの感想なので

見に行った人が、それぞれにいろんな思いを感じていただけるといいなあと思います。

おまけ:ポムポムプリンコラボ

会場にはなぜか日本のサンリオアイドル、ポムポムプリンとのコラボグッズも販売されていました。

他にも公式グッズはいろいろ販売されていましたが(炭化したパンのクッションとか)、わたしはポムポムプリンにしましたー。

かわいい。ポムポムプリンがお好きな方はここでしか手に入らないグッズがいろいろありますのでぜひー。

会場には記念撮影スポットもありましたよ。

今後のスケジュール

ポンペイ展は、全国を巡ります。

京都展は7月3日まで開催ですよー

東京会場:東京国立博物館 2022年1月14日~4月3日

京都会場:京都市京セラ美術館 2022年4月21日~7月3日

宮城会場:宮城県美術館 2022年7月16日~9月25日

福岡会場:九州国立博物館 2022年10月12日~12月4日

※すべてのスケジュールが終了しました。

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