台風7号の被害を受けた地域の皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
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TV版が放送されているので、久しぶりにファフナー語りでもしてみます。
みのりさんの地域は残念ながらTV放送されないので、バンダイチャンネル(有料)で見放題しています。
※この感想には「蒼穹のファフナーBEYOND」全十二話分のネタバレが含まれます。
※先の展開を知った上での感想です。先の展開に触れていますので、初めて見る方はネタバレにご注意ください。
感想
※この感想には「蒼穹のファフナーTHE BEYOND」全十二話のネタバレが含まれます。
※先の展開を知った上での感想です。先の展開に遠慮なく触れていますので、初めて見る方はネタバレにご注意ください。(先を知りたくない人は読まないほうがいいです)
第一話 蒼穹作戦
改めて見ると「ああーそういうことだったのか!」といろいろ繋がった。
マリスがプロメテウスと結託して総士を攫った目的がわかると、初見で「こいつ誰だよ」と思った時より感慨深いです。
初めて見たときは、アルヴィスがどこと(なんで)戦っているのかも、よくわかってなかったんだなと思い出しました。
すでにこの時点で美羽ちゃんがザインに乗っている。
彗くんがいなかったら、里奈さんは一話目にして本気でご退場されていたかもしれない……(ファフナーならあり得るのでなんとも言えない
自分たちの陣営の内側から、エスペラントである超優秀な人材(マリス)が、まさかフェストゥム側に付くなんて誰が予想しただろう。
ワダツミノミコト→プロメテウス→マレスペロ。
改めて、海神島のもともとのコアミールは彼だったんですよね。
人間側の都合で良いように使われて、そりゃあ人間に恨みが強いのもわからなくもない。
敵の敵は味方で、このふたり(マリスとマレスペロ)が手を組んだら、アルヴィス側としてはそりゃあ虚をつかれる事態になるだろうなあと思いました。
第二話 楽園の子
新総士が3年で一気に成長されている。
旧総士が、なんにも「知らず」に妹の乙姫ちゃんと日常生活を送っていたらこんな感じの子だったのかなとか、想像せずにはいられません。
それくらい「知る」は、楽園からの追放を意味する重要なこと。
実際のところ、一騎たち竜宮島の子どもたちも似たような境遇で、一定の年齢までは「知らず」に島の平和を享受できていたのです。
だからフロロの言い分も、わからないまでもない。
フェストゥムが、同化以外の方法で人間と同じように生きていた3年間だったのです。
もちろんエスペラントであるマリスがいなければ、こんな方法を考えつかなかっただろうけど、よく実行されたなと改めて思う。マリスはやっぱりすごいね。
「外の世界は怖いよ、危ないよ、ここにいたら安全だよ」という楽園の世界を抜け出して、世界の真実に目を向けるのはある意味で人間の性みたいなものです。
ちなみに総士の両親役を、セレノア(弓子さん)とレガート(道夫さん)が代役しているのは、美羽ちゃんの記憶から再現されているわけで
フロロ(乙姫)は、おそらく美羽ちゃんに残る織姫(2代目コア)の記憶から再現ではないかと推測するのですが
実際のところ美羽ちゃんは生きていたころの道夫さんを知らないし、総士の兄妹関係にいたっては知るべくもない。
その割には、なんちゃってでもちゃんと家族になっていて、すごいなと思いました。
いま思ったけど、セレノアは美羽ちゃんのなかの弓子さんと千鶴さんのイメージが合わさった感じなのかな。
「島で唯一のお医者さん」というのは、千鶴さんイメージ。弓子さんは養護教諭だったし、剣司ほどは千鶴さんの業務を引き継ぐ感じではなかった。
また、実際の弓子さんはもうちょっと我が強いというか、自分の思いを優先して動かれる方だったイメージがある。(そこが弓子さんらしくて良い)
でも、美羽ちゃんの前では良いお母さんだった。幼い美羽ちゃんにとっては、弓子さんは万能な母のイメージが強かったと思う。
いろんな不安に翻弄されながら美羽ちゃんを守りたいと思う弓子ママの姿は、幼い美羽ちゃんにはまだわからないところも多かっただろう。
弓子さんがアショーカに同化されてからは、千鶴さんが実質親代わり(見えないけどおばあちゃん。史彦さんと良い感じになられてから千鶴さんはますますお若くなられた。そんな千鶴さん大好き)だったから。
マリスは戦争で両親を亡くしたとされていますが、いつ亡くなったかははっきり出ていないから
もしかしたら「家族ってこういうもの」みたいなのはマリスの記憶もあるのかな?
しかし、一騎があきらかに「変な人」な感じで面白いですね(笑
第三話 運命の器
「ストックホルム症候群」はこうやって起きるんだぞ、のお手本のような新総士くん。
史彦さんの冷静な判断が、やっぱり大人だなあと思います。
こういう人が組織のトップにいるってほんとうに心強いですね。
もちろん総士の怒りはもっともです。
目の前で大切な妹(だと思っていたフロロ)がいなくなったらなおのこと。
初見のときは、総士の言動にとても哀しく(イライラと・笑)なったものですが
改めて見ると、いっぺんに反抗期もやってきたような感じもあるのかなと。
怒りを、ちゃんと怒りとして受けとめようとする姿勢の大切さを感じました。(史彦さんすごい)
ちなみに、そんななかで真矢おねえさんの教育的指導がとっても素敵なのですが(笑
真矢の、(新)総士と一騎の前で、同じ人ですかというくらい人が変わるのがとっても素敵だなあと思います。(褒めています!)
第四話 力なき者
総士マークニヒトに乗って大暴走の回。
オープニングの海神島のデコボコは、総士が暴れた跡でした。
EXODUSではパイロット最年少だった零央や美三香がすっかりお兄さんお姉さんしていて好き。
全体的にEXODUSのその後のみんなの暮らしぶりがわかるような束の間の平和が見えます(涙
ルヴィさまは、ちゃっかり総士をその気にさせていますね。
そして真矢おねえさんが銃で総士を手懐ける(笑
第五話 教え子たち
総士再教育の回。各人の教育仕様がわかりやすく表れていて好きです。
総士の竜宮島を想起するシーンで、芹ちゃんって前からいたのかな? TV版再編集??(もう昔すぎて記憶があやふや……
総士が銃で脅された真矢には好意があって、妹(フロロ)を消された一騎には恨みが強いのは
あれじゃないですか、深層的に旧総士の真矢への好意と、一騎への同性のライバル心プラスお父さんへの反抗期がごちゃまぜになっているからじゃないでしょうか。(すみません、妄想です…
第一話でマリスがエスペラントの子どもたち2人を総士と一緒に連れ去ったのは
海神島とコネクトするために必要だったから、なのかな。
あとマリスは、美羽のためにも両親の似姿のふたり(レガートとセレノア)をつくったのだな、と改めて思いました。
最終話まで見ると、マリスの原動力の原点はほぼ美羽のためなんだけど、こじらせ感が半端ない。
新総士がすごく素直な子だというのがよくわかる感じ。
これはマリスたちの3年間のたまもの……ではなく、その前の一騎お父さんと島の子育てもきっと良かったんだと思うのです(これまた妄想というか願望というか)
あと、美羽ちゃんかわいい。男の子(総士)の前で、服がめくれて腰が見えているのかわいい。
お父さん(道夫さん)がご存命なら卒倒しそうなシーンですが(年上の真矢おねえさんにベクトルが向いている総士はまったく気にしてないけど・笑)
真矢おねえさんがしっかり見張っているから大丈夫です。(ふたりとも実年齢何歳だっけ…←もはや年齢という概念がない人たちがいるのがファフナー。だからこそ剣司のリアリティが冴え渡る。いや、あれは幸せ太りも絶対あると思う)
第六話 その傍らに
千鶴さんの手料理は、総士が遠見家に居候しているあいだに覚えたんだな。
(真矢も美羽ちゃんも何年も一緒にいたはずなのに明らかに最近来た総士のほうが覚えが早いのはなんでだろう……)
操の無邪気さがかわいいんだけど、ときどきびっくりするようなとんでも発言をして彼はやっぱり人間じゃないんだなと思い知る。
操からすると、コアミールとして循環していくことは、喜ばしいことなんだけど
お別れのことを彼はよく理解していなくて。
言葉を理解しているようで、気持ちが理解できなから言葉が足りない。
容子さんが傷ついて操に厳しい言葉を投げかけたことに
操はなんかエラーが起こったことは感じていて、だから反応している。
その対処法が「美羽、食べていい?」なのも操らしいのですが(笑
でも、たぶんそういうことを理解していくために、私たちは「対話」が必要なんだろうな。
だから、ここでの美羽ちゃんの「食べてもいいよ」は、対話(おはなし)を重んじてきたはずの彼女にしては、実に美羽ちゃんらしくない回答。
そして、ここのシーン。
実はひそかに、のちの伏線がきれいに織り込まれているのに気づきました。
美羽ちゃんからしてみれば、いつかアルタイルと同化することを念頭に置いているから
「手の一本くらいならどうってことない」と思っている。
ミールの申し子になった一騎は、生と死の循環を外れているから
アルヴィスの現在の目的に向かう美羽ちゃんの意向は絶対。
(総士が一騎にイラつくのはこのへんもある。一見理解が良いように見えて、もう自分の生きるを放棄している。これまでの一騎をずっと見ていると、理解できなくもないんだけど、新総士は簡単に納得するなって怒っている)
総士が「はあ? それおかしいだろ」と全力で止めるほどに
おそらく周りの人たちは、全力で美羽を止めようとはしない。できない。
真矢は反応しているけど、一騎が止めないのに、そこに反論できる人があのなかにいるだろうか。
それくらい、アルタイルと対話できる美羽ちゃんの存在は絶対。
そして、たくさんの大事な人たちを失った彼らは、やはり根底にどうしようもないくらい「諦観」が染み付いている。
誰も、美羽ちゃんを止めない。総士以外は。
そりゃあ、マリスが反旗を翻したくなっちゃうわけです。
全力で美羽ちゃんを止めたかったけど、絶対に言うことを聞かないこともわかっている。
美羽は、自分の母親やエミリーのように、自分も自己犠牲することを厭わない。そもそも、それが「犠牲」になることだとも思っていない。
美羽が犠牲になる=世界が救われる ↔︎ 美羽を犠牲にしない=世界を犠牲にする
それくらいのベクトルの反転をしないといけなかったんだ。
なんだか「天気の子」みたいでいいですね(笑
最後の千鶴さんのシーンは、胸が締めつけられます。
劇場先行上映では、ここで終わってしばらくお預けだったのですよ。
そして、こんなにピンチな状況でも安定の溝口さん。伝説がまたひとつ増えました。
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後ろに行くほど、長くなっております……(汗
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