ひといちばい敏感な子 子どもたちは、パレットに並んだ絵の具のように、さまざまな個性を持っている エレイン・N・アーロン著 明橋大二訳 1万堂出版
アーロン博士による、HSC(The Highly Sensitive Child=ひといちばい敏感な子)について書かれた本です。
前回紹介したHSPについての本は、主に大人になったHSPに向けて書かれたもの。
今回は、HSPの子どもに焦点が当たっています。
HSPの保護者にも、非HSPの保護者にも向けて書かれているのは、とても良いなと思います。HSPの保護者と言っても、必ずしもHSCを育てるのが楽だとは限らないからです。
例のごとく、アーロン博士の本はこちらもとってもボリュームがあります。内容も満載。
そして例のごとく、わたしはこちらの本も読むのに大変苦労しました。
今回は読んでみて感じた大雑把なところを紹介したいと思います。
本書の特徴
本書ならではという点をまとめます。
①HSCについての説明
HSCってなんだ? というところをわかりやすく説明してくれています。
敏感さゆえに育てにくいところがあるところも書かれています。
②HSCチェックリスト
HSCとしてのチェックリストがあります。
③親がHSPでない場合、親も敏感気質を持っていた場合両方のアドバイス
④各発達段階ごとのHSC子育てアドバイス
具体的な事例を織り交ぜながらなので、わかりやすいと思います。
思ったこと
HSCって育てにくいんだなあ。
敏感さの程度によっては、かなり育てづらいことが本書を読んでいて思いました。
前回のHSPについての本もそうでしたが、HSCだとわかった上で、いろんなことにチャレンジすること。
これは別にHSCに限ったことではないのだけれど、生きづらいからといってチャレンジすることを諦めなくて良いのです。
でも、チャレンジするのには、ちょっと非HSCよりはコツというか、踏まえておいたほうが良い点がある。そこをアーロン博士はわかりやすく丁寧に教えてくれています。
わたし自身はどんな子どもだったのだろう
たぶんHSPであるわたしもおそらくHSCでした。
しかし、アーロン博士のHSCチェックリストを記憶を辿りながらやってみると、HSPチェックリストほどには○がつきませんでした。
これは育った環境が大きく影響していると思います。
自分自身は、敏感だと思っていなかった。母は非HSPだし。いまなら当てはまるかなあということも、当時はそこに至れる環境ではなかった。
正直いって、子ども時代〜大人になるまで、学校が楽しいと思ったことはほとんどありません。
学校はもう脅かされる場所でしかありませんでした。いろんな人の、いろんな思いが怖くて仕方なかった気がする。
同年代の子と遊ぶよりは、家にいて年の離れた兄と過ごすほうが落ち着いて楽しかった。
ひとりで遊ぶのは全然苦になりませんでした。想像の世界に羽ばたいて、いくらでも遊んでいられたからです。
全体的に、想像力は小さい頃から豊かだったのだと思う。それが友だち同士の間で創造性として生かされることはほぼなかったけれど。
結び
アーロン博士の本を読んで、HSPを知って、HSCも知って、ほんとうに一人ひとり違うのだということを実感しました。
HSCを尊重できるのであれば、それ以外の子どもの個性だって当然のように活かされていきます。副題の「子どもたちは、パレットに並んだ絵の具のように、さまざまな個性を持っている」というのは、まさしくその通りです。
本に書かれた内容はとっても濃くて、一度で紹介しきれるものではありません。
他の本と合わせて、これから少しずつこのブログでこの本のエッセンスも取り上げていきたいなと思います。
おまけ。
最近、長沼先生のHSCの本も買いました。
アーロン博士の本はとっても濃厚でわかりやすいのですが、やはり文化差はあります。
わたしはHSPについて長沼先生の本から入ったので、HSCの本はどんな切り口なのだろうと、読む前から楽しみです。