【HSP】カミングアウトについて〜それぞれの考え方〜

前回、カミングアウトについて自分なりのいまの考えを書いてみました。

とりねこブログ 

先日、産経新聞でHSCについて取り上げられていました。 Yahoo!のコメントを見ていると、「うちの子もそうだ」とか「自…

 

カミングアウトについて、各HSP本の著者はどんな意見なのか、読み返してみることにしました。

 

とりあえず、アーロン本、長沼本、イルセ本から考察してみます。

※今回は自身のHSPについてという観点からなので、HSCについて(つまり、親が子どものHSC気質を周囲に伝えるかどうかについて等)は取り上げていません。

 

アーロン本では

アーロン博士の本は、ざざっと見渡した限り、HSPを周囲にどう伝えるかについてのトピックは取り上げられていませんでした。

 

これはいくつか考えられます。

まず、アーロン博士がHSPの提唱者であること。

つまり、翻訳本である「ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。」が刊行された当時は、まず「HSPって何か」を説明して、HSPを知ってもらうことのほうに重きが置かれていたこと。

 

あと、文化差の問題です。

多様であることから成り立っている文化と、和を第一とする日本の文化は、大きく異なります。つまり、カミングアウトの問題は(HSPに限らず)、アメリカのほうが寛容で、日本のほうがリスキーである可能性も考えられます。(あくまで憶測です)

文化の違いは、実際に肌で感じていないとわからないこともあるので、ちょっとこれについては判断が難しいところです。

 

ただ、アーロン本を改めて読み返してみると、自分の特性を知り、大いに生かしていこうというメッセージがひしひしと伝わってきます。HSP気質の人が、敏感さを短所と捉えずに、それを長所として伸ばしていくための、自己理解を得るためのメソッドがたくさん散りばめられています。

 

 

長沼本では

長沼先生の本はカミングアウトについて具体的に取り上げられていました。

第4章 敏感な人が陥りやすい「15の困ったこと」対処法 「4 まわりの人にHSPを理解されない(P162)」に

家族や恋人、親友など自分にとって大切な人には、自分がHSPであることを打ち明けると良いでしょう」と記されています。

大事な人との関係をよりよいものにするためにも、カミングアウトは大切だと、私は考えています。カミングアウトを受けてはじめて、相手はあなたのふるまいが、HSPのためだったと知ることができるのです。(P162)

 

その時に大切になるのが、自分についての「取扱説明書(トリセツ)」を作ることです。

トリセツには
①自分が困っていること
②それに対して自分が行なっていること
③相手に行ってほしいこと

の3つの要素をリストにすることが推奨されています。

大事なのは、「③相手に行ってほしいこと」を言う前に、「②自分が行なっていること」を伝えること。

 

自分でも対処しようと努力しているけれど、自分だけでどうにもならないことってあります。

だから、あなたにも理解して助けてほしい。

これってとても大切なことです。

 

改めて読み返してみると、わたしは自分のトリセツをちゃんと作れているかな? とちょっと疑問を持ちました。

 

わたしは、自分でも良くないなあと思うのですが、物事をふわっと受けとめる傾向があります。まだまだHSPについても、自分自身のことも「ふわっとこんな感じ」のところがあります。

一回作ってみようかなあ。

 

自己理解ができていないと、相手にも自分のことをわかってもらうのはむずかしい。

 

イルセ本では

イルセ本にも、カミングアウトについての記述がありました。

第3章の「鈍感な人たち」とうまく付きあうには から

私は自分を表現するときに、「敏感すぎる人(HSP)」という言葉をめったに使いません。それよりも、「自分が何を必要としているのか」「何に秀でているのか」「何がうまくできないのか」を伝えます。(P145 周囲の人に自分がHSPであることを伝える)

 

わたしの現在の考え方は、イルセ・サンの意見に近いです。

 

長沼先生と同様に、自分のHSPのことをまず理解しておくこと、その上で周囲に自分の困り感を伝えていくことが書かれています。

イルセ本は、そのために当事者がどんな風に自分のことを周囲に説明しているか、具体的な言葉としてたくさん載っているので、参考になります。

 

結び

最後に、イルセ本からの引用で締めくくりたいと思います。

 

大切なのは、ほかの人たちに「私に特別な才能と制約があるのはHSPであるからだ」と知ってもらうことではなく、私自身がHSPのことを理解し、自分と同じような人がいることを知っておくことなのです。(「鈍感な世界に生きる敏感な人たち」イルセ・サン P145 )

 

自分の困り感が強すぎると、そのことでいっぱいになってしまうし、「もっとわたしのことをわかってよ」と言いたくなります。

でも、自分の大変さに溺れないで、自分のことを理解してそれと共に生きていく。

自分の大変さを理解しているからこそ、自分と同じような大変さを抱える人にも手を差し伸べることができる。

個人的に、目標とする地点はここかなと。

 

そのためにも、自己理解と、生きづらくて苦しんできたのならその自分をたんとケアして癒してあげることが大事なのかなと思います。

 

 

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